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[WBS]ウクライナやインフレ…波乱の2022!今年の株価上昇率トップ10は

年末恒例の株価上昇率ランキングです。2022年はウクライナ侵攻や記録的なインフレによる世界各国の利上げと波乱の1年となりましたが、ではどのような銘柄が上昇したのでしょうか。

株価上昇率ランキング
インフレ・円安打ち勝つ企業は

今年の初め、日経平均株価は500円以上上げ、いきなり2万9,000円の大台に。

しかし、勢いは続きませんでした。

ロシアによるウクライナ侵攻に世界各国で止まらぬ利上げ、さらに物価の高騰や円安、ニュースが出るたびに激しく上下する大荒れの展開に…

その中でも上昇した銘柄とは?

松井証券
シニアマーケットアナリスト
窪田朋一郎さん

期待値が高いだけの銘柄はなかなか買われづらい1年だった。
業績が伴っている銘柄の方が評価される1年だった。

6位~10位

人気を集めたのは独自の強みを持ち、業績を上げた企業。なかでも上昇率が高かったのがこちら。

東証プライム 12月9日時点(21年末比)
6位広済堂HD2.4倍
7位JVCケンウッド2.3倍
8位キャリアリンク2.2倍
9位アイスタイル2.2倍
10位ダブル・スコープ2.1倍

株式会社アイスタイル

注目したのは9位の化粧品の口コミサイト「アットコスメ」を運営するアイスタイル。上昇のきっかけは…

田中瞳キャスター

インターネット通販大手のアマゾンは化粧品などを販売する通販サイト「アットコスメ」の運営会社との資本業務提携を発表しました。

口コミで成長したアイスタイル。アイスタイルが発行する新株予約権などをアマゾンがおよそ140億円で引き受け筆頭株主になったのです。

株式会社JVCケンウッド

7位はカーナビで有名なJVCケンウッド。しかし、株価上昇の要因は別のところに…

本社を訪ねると何やら準備中、一体何が?

JVCケンウッド
鈴木昭専務執行役員

当社の無線システム事業に関して外部、投資家から色々質問が来た。
本日このような場(説明会)を設定した。

祖業の無線事業の売上が伸び投資家向けのオンライン説明会を開くほどに。

特に警察や消防などで使われる無線が好調。10月にはアメリカでおよそ44億円の大型案件を受注しました。

強みは頑丈さ。火災現場などの厳しい環境にも耐えられる品質の高さが評価されているのです。

主力の北米向けの製品は日本で生産。円安も追い風となりJVCケンウッド全体の業績を押し上げます。

JVCケンウッド
鈴木昭専務執行役員

社内で利益創出ドライバーという位置づけで今後さらに拡大したい。

この後はいよいよトップ5。キーワードは時代の変化に対応。一体どんな会社でしょうか?

1位~5位

波乱の株式市場、株価を上げたのは狭い分野でも独自の強みを持つ企業。

ここからはベスト5。

東証プライム 12月9日時点(21年末比)
1位大阪チタニウムテクノロジーズ5.4倍
2位円谷フィールズHD4.9倍
3位東邦チタニウム3.0倍
4位トレジャー・ファクトリー2.7倍
5位KPPグループHD2.7倍

KPPグループホールディングス株式会社

5位は印刷用紙などの卸売を手掛けるKPPグループHD。

松井証券
シニアマーケットアナリスト
窪田朋一郎さん

プラスチック製品からの代替として再生可能な紙製品だったり、そういったところに需要のシフトがあった面も評価された。

本社で行われていたのはある製品開発の会議。

担当者

使用感どうか。

おもむろに被りだしました。

担当者

個人的にはいいんじゃないかな。

番組スタッフ

いま何について議論をしている?

担当者

いまアパレル向けのフェイスカバーの話をしている。

洋服を試着する際、化粧品などが付くのを防ぐフェイスカバー。素材を化学繊維から紙に変えられないか相談が来ています。

SDGsや脱プラスチックの流れを受けて、いまパッケージや梱包材などを紙に置き換えたいという相談が増加。

アパレル業界では紙製のハンガーが採用されました。

KPPグループHD 国際紙パルプ商事
マーケティング室
坂口広史室長

1つの素材に縛られることなくお客様の環境対応というニーズに対して最適な素材、もしくは加工を組み合わせて提案していく。

株式会社トレジャー・ファクトリー

そして4位は中古品の買取販売を手掛けるトレジャー・ファクトリー。

好調の背景には今年ならではの理由が…

60代 自営業女性

テレビとかも買いたいが高くて買えない。
この店で半額ぐらいで全て買った。

今年相次いだ値上げ。物価高が止まらない中、消費者の節約志向から中古品の人気が高まっているのです。

人気を支えるのが品揃え。トレジャー・ファクトリーでは幅広い商品の買い取りに対応しているため、こんなものも…

トレジャー・ファクトリー
エリアマネージャー
中島麟太郎さん

昭和時代の天火オーブンと呼ばれるもの。
実際にガスの火が出るところに設置し、オーブンのように使用できる。
長く働いているが初めて見た。

価格は3万2,780円。

店舗では販売が難しい商品も2020年に始めた業者同士のネットオークションで流通させています。

トレジャー・ファクトリー
広報
上間綾乃さん

今後も節約志向の高まりなども追い風になる。
ブランド展開や多店舗展開で多くの方にリユースサービスを提供できるようにしたい。

株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ
東邦チタニウム株式会社

そして1位と3位は大阪チタニウムテクノロジーズと東邦チタニウム。

2社が手掛けているのは航空機部品に欠かせないスポンジチタン。

上半期の株価上昇率トップ2でした。

海外旅行の復活で航空機向けの需要が増え、株価がさらに上昇しました。

特徴を持った会社が評価された2022年。来年はどのような銘柄に注目が集まるのでしょうか?

松井証券
シニアマーケットアナリスト
窪田朋一郎さん

2022年に大きく進んだ円安が修正される可能性があると思う。
2022年に円安で非常に苦しんだ輸入関連企業は再評価される可能性はある。

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