こちらのトマト、都内のベンチャー企業が作っているものですが味と品質の高さから1皿たった8個で700円もの値段が付けられています。
高価格を実現する裏には次世代型を謳う植物工場の存在がありました。
さらに次世代型の植物工場を核に農業テーマパークも作るといいます。
果たしてその狙いとは?
株式会社オーガニックソイル
[blogcard url="https://organicsoil.co.jp/"]
4月15日、お台場で開かれたパーティー。
日本料理店「賛否両論」の笠原将弘シェフ、パティシエの鎧塚俊彦シェフなど日本を代表する有名シェフが勢揃い。
彼らが振る舞ったのは甘くて濃厚なオスミックトマトを使った料理です。
このトマトは農業ベンチャーの「オーガニックソイル」が開発しました。
トマトを出しに使った「トマトとしらすの炊き込みご飯」。
トマト風味のエビチリに、トマトのジュレを乗せたデザートなど…
トマト自体がおいしいので余計な味付けをしなくていい。
シンプルな料理に向いているトマト。
今までだと調味料を足したり、加熱を考えていたが逆に最低限ですむ。
しかし、これは単なる食のイベントではありません。
オーガニックソイルがこの日発表したのは…
オーガニックソイルの中川英之社長、
農と食のテーマパークを事業化したい。
10ヘクタールほどの広さにシェフが監修するカフェレストランや宿泊施設、観光農園などを設けた農業のテーマパーク、核となるのはあのトマトが生産される次世代といわれる植物工場です。
次世代型植物工場はどこがすごいのか?
温度や日照量など全てを自動で管理することで1年中安定的に生産しています。
高品質なトマトを作るヒミツはそれだけではありません。
オーガニックソイルのアグリ・コミュニティ事業部の塚目亮太さん、
一番の違いは当社独自の微生物を入れている土。
農場とは別に土の工場も持っています。
ここでは微生物や米ぬかなどおよそ20種類の原料を使い半年もかけて土づくりをしています。
微生物が土の有機成分を分解してトマトが有機成分を吸って、成分をもとにおいぢいトマトができている。
さらに高付加価値を付ける仕組みが…
今一つ一つ手でトマトを置いて、こちらの機械で糖度を測っていく。
糖度を測った際に糖度別でトマトを落としている。
1日に収穫される100キロものトマトを1粒1粒全て光センサーで糖度を測り選別。
糖度別に4種類に分けて付加価値を付け、オスミックトマトとして販売しています。
こちらは最高品質、糖度11度以上。
甘い。フルーツですね、本当にサクランボみたいに甘い。
わずかな糖度の違いに着目することで値段も差別化しました。
こうした売り方は有名シェフたちに高く評価されています。
食べ比べると糖度の違いが分かるし、一番これが適している、使える利点がある。
その使い分けがとても面白い。
こうした次世代型の植物工場を取り入れた農業のテーマパーク。
開業予定は2020年度で候補地として千葉、山梨、埼玉、茨城、静岡が上がっています。
「この土地をなんで使っていないの?」とびっくりするような土地。
理由は農地だから。
土地は良くても農地としてしか利用できず、開発ができない耕作放棄地が全国にはたくさんあるといいます。
オーガニックソイルはそこに植物工場を作ることで農地として利用しつつ、人を呼び込むテーマパークを作る予定です。
耕作放棄地の有効利用。
農地をどうやって人の呼べる、人の集まる、人が利用するものにできるのかという時に、このソリューションが一番いい。
こうした取り組みに自治体からも期待が高まっています。
熊谷俊人千葉市長は、
農家を守っていくだけでなく、農業の新たな担い手、新たな世界を作っていくことも自治体の仕事。
今までに無いビジネスモデルだと思うので非常に期待している。