新型コロナで外国人観光客が街から消え日本の職人がピンチを迎えています。
事業を続けるのかどうかを決断する現場を取材しました。
株式会社オープン・ザ・フィールド
[blogcard url="http://www.openthefield.co.jp/"]
都内にある三味線の専門店を思わぬ事態が襲いました。
亀屋邦楽器の芝崎勇夫社長、
日本の三味線文化が無くなるかもしれない。
大変な危機感を持っている。
日本伝統の三味線文化までコロナの影響が出ているといいます。
創業130年、三味線づくりの最大手を訪ねました。
ここ東京和楽器はプロの職人集団として知られています。
工房では1本1本を手作り。
柄を削る機械など全て職人が独自に設計したものです。
1本30万円もする高級品としても知られてきましたが来月廃業へ…
東京和楽器の大瀧勝弘代表、
もうひどいものです。
売り上げは10%もなくてゼロ。
先の見通しも暗いので見切りをつけた。
職人の思いも複雑です。
まだ後輩に教えなければいけないことがいっぱいあった。
こればっかりは自分たちではどうしようもない。
残念というか悔しいというか。
この仕事を続けていきたい。
廃業を知ったお客様からは支援の申し出も多数届きました。
続けてやっていければ一番ハッピーですけど。
この業界のことを考えると続けていくことが難しい。
一方、伝統工芸の大きな収益となっていた売り場までコロナでストップ。
7月中旬、百貨店での催事が3ヶ月ぶりに再開し全国から30社が集まりました。
こちらはすべらない竹の箸。
籠竹工芸所の古賀洋光さん、
良さを知ってもらったうえで買ってもらうのを大事にしている。
こんにゃくをちゃんとつかめる。
これは滑る。
全然違います。
良さが分かるには何より手にとってもらうのが大事だといいます。
しかし新型コロナの感染が広がることで再び人が集まる催事などのイベントが中止になる可能性も…
岩手の南部鉄器、幸工芸の幸路剛志さん、
また休業になれば収入がなくなるので厳しい。
飽田の川連漆器、山忠漆器の佐藤忠平さん、
簡単に言うと多分無くなる。
廃業は時間の問題。
全国の職人に聞いた調査でおよそ4割が年内に廃業を考えると答えています。
催事を企画した小山義明さん。
コロナという部分で仕事の仕方も当然考えないといけない。
職人の考え方も変えないといけない。
伝統文化、産業をどう守るのか…
この日、小山さんがある職人の元を訪ねました。
創業90年を超える革製カバンの会社です。
小山さん、ある提案を持ちかけていました。
中澤鞄は牛などの革を加工する技術力でビジネス用の鞄などを製作。長く愛されてきました。
しかし…
中澤鞄の中澤恒夫社長、
東京五輪のために大量に作ったのですけど。
コロナによるインバウンドの消失で多くの在庫を抱えてしまったのです。
相当厳しい。
売り上げは6~7割落ちている。
その状況に企画会社の小山さんが差し出したのは細長い形をした黒いもの。
工場では職人が細く切った牛革をミシンで縫っています。
これを取り付け出来上がったのは…
こちらのサンダルです。
危機を乗り越えるための事業転換。いま出来ることとは…・
コロナは1人では太刀打ちできない。
ものづくりに精通する職人と一緒に手を手を携えて背中を押しながら文化を支えていく。