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[WBS][#いのちともに守る]「防災の日」…進化する"非常食"[尾西食品株式会社]

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9月1日は防災の日です。テレビ東京など民放とNHKは共同で未来の命を救う呼びかけや企画などを放送しています。政府は9月1日に大規模な防災訓練を行ったほか、新型コロナの影響で中止していた企業も各地で訓練を実施しました。こうした中、災害に備えて注目されているのが非常食です。長く保存できるだけでなく新たな特徴や機能を備えた進化した非常食がいま続々と登場しています。

巨大地震想定…政府が訓練!三菱地所 消防と連携 3年ぶり

続々と官邸に集まる防災服の閣僚たち。

岸田総理

各大臣におかれては災害応急対策に全力に取り組んでください。

政府は9月1日に巨大な南海トラフ地震を想定して防災訓練を実施。

警察官

運転手さん、至急移動お願いします。

警視庁も災害時に緊急車両が通るための道路を確保する訓練を実施。通行の妨げとなる放置車両を実際に撤去するなどリアルさを追求しました。

さらに高層ビルに向かって一斉放水する消防隊員。東京・丸の内周辺で多くのビルを運営する三菱地所が東京消防庁などと合同で行った訓練です。テナントのカフェから出火した想定で消化や取り残された人の救助などを行いました。

訓練には三菱地所の社員など2,000人以上が参加。コロナ禍で中断していましたが、今年3年ぶりに実施しました。

三菱地所
安全管理室長
河野創さん

3年間これまでやっていなかった。ノウハウの継承という意味で実地訓練ができたことは非常に良かった。

水が無くても"炊き込み"!進化した非常食続々

突然起こる災害、いざという時の備えに欠かせないのが非常食です。

東京・港区にある尾西食品。長期保存が可能なアルファ米を開発した非常食の老舗メーカーです。

その尾西食品が9月1日に発売したのが…

尾西食品
伊藤秀朗商品開発部長

災害に役立つセットになっていまして、アルファ米とレトルトの汁物、どこでも食べられるスプーンもつけた。

水を入れるだけで食べることができるアルファ米と汁物のセット。野菜がたっぷりはいっているのが特徴です。

尾西食品
伊藤秀朗商品開発部長

非常食はパンやご飯など炭水化物が中心で野菜が不足しがち。
それをできるだけ解消する商品を目指した。

汁物をアルファ米に直接注ぐことで手元に水が無くても食事をすることができます。常温だと1時間ほど待てば完成。

安達洋之記者

しっかり味が染み込んでいます。野菜もあって食べごたえがあります。

年々増加する非常食の市場。2021年度は前の年度より20%伸びたとみられています。

尾西食品では今後も非常食の市場が伸びていくとみて商品の種類などをさらに増やしていく考えです。

尾西食品
伊藤秀朗商品開発部長

これまで非常食は自治体中心の市場だったが、このところ災害が多くなってきて一般の人の関心も高まっている。

非常食を"食材"に活用!百貨店×学生ベンチャー

非常食をより身近にするための取り組みも。

横浜高島屋
加納淳平さん

備蓄食を使ってアレンジしたパンが集積しているコーナー。

横浜高島屋では非常食を食材として使った商品のフェアを初めて開催。カンパンを使ったデザートなどを販売しています。

横浜高島屋
加納淳平さん

単に備蓄食材を販売するだけでいいかという疑問点から今回のフェアを思いついた。

おはぎパンにも実は非常食が。パンの中のあんとして長期保存が可能な「ようかん」を使い、さらにアルファ米をパンの生地で包むことでおはぎの食感を再現しています。

今回、横浜の学生ベンチャー「ストックベース」と連携。ストックベースは保存期限が迫って廃棄が迫った非常食などを企業から引き取り、必要な場所に届ける活動をしていて、今回の商品の一部にも期限間近の非常食が使われています。

ストックベース
関芳実代表

慣れていない食べ物なので食べるのに抵抗感あるとか。
こういったフェアをすることで一般の人にも手に取ってもらい、備蓄食の魅力、おいしさを知るきっかけにしたい。

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