厳選した手みやげを紹介する「三つ星手みやげ」のコーナーです。
今回は世界的なレストランガイドにも登場した料理人が選んだ手みやげです。

宿六
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東京・浅草にあるおにぎり専門店「宿六」。

寿司屋のようなカウンターでお客様におにぎりを握っているのが今回の手みやげ案内人、三浦洋介さん。

実はこのお店、おにぎり専門店として世界で初めてミシュランガイドに掲載されたのです。


宿六のメニューはおにぎりとみそ汁のみ。

愛される秘密は、
1、2、3、これでできあがり。

たった3回握るだけの早業です。
おにぎりは三角形、三辺だけ握る。

フワフワがおいしい。僕が好きなだけ。

昔食べた味を受け継いでいる。

三浦さんが守り続けるのは祖母のレシピ。

昭和29年に宿六を創業した祖母の味を3代目として受け継いでいます。

店名の「宿六」は"うちの人はろくでなし"という意味で妻が夫を罵るときに使う江戸言葉。

三浦さんの祖母が仕事をしなかった夫への当て付けから店名を宿六にしたそうです。

実は三浦さんも30歳まで無職、趣味のフルートに没頭していました。

一念発起し、30歳で店を継ぐと料理人としての才能が開花。こだわった素材に丁寧な仕込み、多くの人に愛される店を切り盛りしています。
そんな三浦さんが選ぶ手みやげ一品目は…

おにぎりと同じ、素材がシンプルな和菓子。
明治36年に創業した老舗和菓子店「徳太樓」のきんつばです。

"シンプル イズ ベスト"

おにぎりは"ご飯"と"塩"と"海苔"。

きんつばは”あんこ”と”皮”。

素材本来の味を100%引き出した上品な味わい。モチモチしすぎない絶妙な皮。

絶妙なハーモニーが最高。

北海道十勝産の小豆を煮ること1時間半。
固めたあんこを均等に切り分け、小麦粉で溶いた皮で包むきんつば。
シンプルだからこそ職人の手作業一つで味が変わる繊細な和菓子です。

そして2品目は地元浅草で人気の洋菓子店から。

フランス風"いちごのショートケーキ"「フレジエ」。


ベルギーで18年修行した上野博史シェフのこだわりはなめらかで口溶けの良いピスタチオのムースリーヌクリーム。


いちごを入れてスポンジの上にはいちごジャム。

粉砂糖をあしらい、仕上げにピスタチオを添えた冬から春にかけての季節限定商品です。

何日も時間をかけて仕込んで丁寧に作る。

いろんな味が織りなす層をまとめて一つの作品にする。

複数の層を一気に食べて味が成立。

口の中で奏でられるハーモニー。

三浦さんには手みやげを届けたい恩師がいました。
師匠、きんつばとケーキです。

三浦さんが無職だった20代の頃にフルートを教えてもらっていた荒川洋さんです。

三浦さんと20年ぐらいの付き合い。

ミシュランガイド掲載のお祝いしたい。

曲を作るのが一番早い。

国内トップクラスのフルート奏者、荒川さん。ミシュランガイド掲載を祝うため「Yadoroku"宿六"」という新曲をサプライズで作っていました。

三浦さんが料理人としての才能が開花したのは荒川さんに習った音楽の経験が生かされているそうです。

音楽は設計図があり、それを組み立てていく。

おにぎりも三角形という形があり、自分なりの感性を作品に詰め込めたのは音楽をやっていたから。

音楽が自分のおにぎりに反映されている。
