連日熱戦が続く北京オリンピック。2月15日のフィギュアスケート女子ショートプログラムで樋口新葉選手がオリンピック史上5人目となるトリプルアクセルを成功させ5位に。
そして坂本花織選手はそれを上回る3位と好位置につけて、2月17日にメダル獲得をかけてフリーの演技に臨みます。
そのフィギュアでジャンプの瞬間、選手たちがどれほどの高さでどれくらいの時間飛んでいるのか皆さんご存知でしょうか。実はそういった選手の技を「見える化」する世界で初めてとされる技術が今大会導入されています。一体どんな技術なのかテレビ東京が独占取材しました。
独占取材 選手の活躍"見える化"
日本のエース、坂本花織の演技。
その坂本選手のジャンプを映し出した画面の左下、瞬時にある数字が表示されます。これは高さや滞空時間といった記録です。
騒動の中、トップに立ったカミラ・ワリエワ選手のジャンプでも・
実はこれ北京オリンピックで初めて導入されたもの。パフォーマンスを数字で示すことで視聴者に理解を深めてもらうためです。
この最先端の技術を開発したのが大会の公式記録の計測を行うオメガ。
その計測技術の舞台裏に日本のメディアとして初めてテレビ東京のカメラが入りました。
現場で自ら指揮を執るCEOのアラン・ゾブリストさん。
オメガ タイミングのアラン・ゾブリストCEO。
リンクを取り囲むように6つにカメラを設置している。
これで選手の動きを立体的に分析できる。
リンクのコーナーに4台、側面に2台、合わせて6台のカメラを設置。選手の動きを追尾します。
一体どう分析するのでしょうか。羽生結弦選手が4回転アクセルに挑むも惜しくも3連覇を逃したフィギュア男子。
金メダルに輝いたネイサン・チェン選手の演技の分析を見せてもらいました。
これは6つのカメラで撮影したチェン選手の動きをAIを使って3D化したもの。
例えば人体の重心である腰の動きを分析することでジャンプの高さがわかるといいます。
高さ・回転数などを計測・分析し、パフォーマンスの素晴らしさを視聴者に伝える。
オメガはあらゆる競技でこうした技術の開発を進めていますが、そこにはある狙いがあります。
平野歩夢選手が金メダルを獲得したスノーボード 男子ハーフパイプ。
選手がジャンプするとすぐにその高さが表示されます。
その秘密がこの小型のセンサー。
実は事前に選手の足に取り付けられていて、その位置情報などから高さを計測しています。
多くの革新的な技術がさまざまな競技で導入されてきた。
オメガなしでオリンピックは成立しない。それほど重要な役割を担っている。
しかし現段階ではこうしたデータの提供はあくまで放送向け。審判のジャッジで活用されているわけではありません。
ときに物議を醸すこともある採点競技のジャッジ。記憶に新しいのはスノーボード、平野歩夢選手の決勝2本目の演技です。
大技のトリプルコーク1440を成功させましたが…
91.75。スコッティ選手を抜くことはできません。現在2位。
このジャッジに世界中から批判の声が相次ぎました。前回大会の女子ハーフパイプ 銅メダリスト「Arielle Gold」は…
今まで見てきた中で最低のジャッジ。
アメリカの有名スポーツキャスター「Adam Rosen」は…
完全にバカげている。アユム・ヒラノを超える得点などあり得ない。
平野選手も会見で…
競技をしている人たちは命を張ってリスクも背負っている。
全部が測れる新たなシステム、もっとしっかり評価してジャッジするべき。
年々、選手の技術レベルが向上する中、ジャッジの正確さが問われるケースが増えています。オメガは最先端技術による客観的なデータを競技の公平性に生かしたい考えです。
テクノロジーは今後も無限に活用できる。
ジャッジで必要ならオメガはいつでもデータを提供する準備はできている。