10月11日からスタートするのが政府による観光促進策「全国旅行支援」です。さらに新型コロナの水際対策も10月11日から緩和され外国人観光客の増加など観光需要の急速な回復が見込まれています。こうした中、大きな課題となっているのが人手不足です。観光業界が人材の確保に苦慮する中、新たなサービスも注目されています。
10月11日から全国旅行支援!
人手不足で注目"手伝い"旅
栃木・那須塩原市にある奥塩原高原ホテル。源泉掛け流しの温泉と旬の食材を生かした懐石が自慢のホテルです。
午前10時、客室ではお客さんのチェックインに向け、ベッドメイキングに追われていました。
そこで働いている従業員、実はここでいつも働いている人ではなく…

観光しながら稼ぐことができる。
齊藤さん
「おてつたび」で1週間だけ働く。
温泉が毎日入れるので魅力に感じて応募した。

2人が利用したのが「働きながら旅をしたい人」と働き手を求めるホテルや旅館をマッチングする「おてつたび」というサービス。
朝の手伝いが終わると5時間の自由時間。観光に出たり、温泉を楽しんだりできます。
こちらのホテルでの時給は913円。さらに食事と宿泊する部屋が提供されます。
「おてつたび」を利用した
齊藤さん

今までない試みに感じたので、アルバイトとは違う印象を受け面白いかなと。
その上、お金ももらえることは最終的な満足度につながる。
ホテル側もこのおてつたびに大きな期待を寄せています。
奥塩原高原ホテル
大塚健一社長

一般的な求人方法で募集をしても、何日から何日までと募集をしても全部が埋まらなかった。
人手不足がある。
紅葉シーズンに加え、10月11日からは国の全国旅行支援も始まり、去年と比べ問い合わせ件数が4倍以上に。
人手の確保は喫緊の課題でした。
奥塩原高原ホテル
大塚健一社長

山奥のホテル、旅館だと生活の便が悪いので人材が少なくなっている。
やる気のある人が来るのでとても助かっている。
インバウンド水際対策緩和
再開に向け人材「奪い合い」
また10月11日から新型コロナの水際対策が緩和され、期待されるのが外国人観光客の増加です。
東京・浅草の時代屋では…
中垣正太郎キャスター

道着に着替えました。ビシッとして気が引き締まります。
居合道の体験です。料金は1人5,500円から。
しかも、英語でのレクチャーも行っています。
コロナ禍では外国人からの予約が全く入らなくなりましたが、最近は問い合わせが少しずつ増えているといいます。
時代屋
日本文化インストラクター
髙橋奈々恵さん

着物だと大きいサイズを追加したり、居合道を英語で説明できるようにしたり、、私たちも準備をしっかりしてお客様に楽しんでもらいたい。
しかし、課題となっているのがやはり人手不足。
時代屋
藤原英則代表

いろいろなところで求人合戦になっている。
若者の人口も減っている中で奪い合いになっている状況。
働き手を集めるのに効果的なのが賃金の引き上げです。ただ、新型コロナの影響で経営が悪化した後、売上げがまだ回復していない段階で賃金を引き上げるべきか悩んでいるといいます。
時代屋
藤原英則代表

売り上げが上がってから賃金を上げるのか、賃金を上げて売り上げを求めるのかでは、賃金を上げて従業員に定着してもらい、一緒にがんばって売上を上げていく方法が良いのではと思っている。
インバウンド専門の求人サイト「やまとごころキャリア」によるとインバウンド関連の求人はコロナ前を上回っているものの応募する人の数は回復していません。
担当者は人材の確保には賃金の引き上げが必要だと指摘します。
インバウンド専門の求人サイト
やまとごころキャリア
村山亜由さん

離れた人材が戻ってこない理由として観光業界の給与水準が低いことがある。
やはり給与アップが一番即効性がある。