パン屋が続々オープン
石川県白山市。畑のすぐ隣りに4月にオープンしたのが「パンとさかな」です。平日の午前中からこの賑わい。地元の酒粕からできた酵母を使ったパン「酒粕カンパーニュ」やラム酒を効かせた「大人のクリームパン」が人気です。
お客さん
よく来る。おいしいパンが気軽に買えるのが最高。
お客さん
ここ好き。ちょっと足を延ばして来る。
パン業界15年で念願の独立を果たした佐々木駿介さん。郊外の立地を選んだ利用を聞くと…
パンとさかな
佐々木駿介店主
駅に近いから繁盛するわけではない。人がいる所にあればお客様は来てくれる。
白山市でオープンするパン屋はここだけではありません。
鶴来商工会 経営指導員
辻秀樹さん
8月中旬にオープンするパン屋。
なんと8月と9月に続々とオープン予定。地元の商工会が街の活性化のため起業支援制度を導入したところ、この半年間で3軒もパン屋が新規開店することなったのです。
郊外でパン屋が増加?
なぜ郊外でパン屋が増えているのでしょうか。
鶴来商工会 経営指導員
辻秀樹さん
こういう落ち着いた所で自分の店を持ちたいという人はいる。
売り上げばかりではなく自分のスタイルでやりたいというニーズ。
一方、福島市には別の事情で最近オープンしたパン屋「たすパン」があります。全てのパンが国産小麦100%で無添加。
看板メニューは「あげカレーパン(260円)」。サクサクの食感が売りです。
自らカレーを仕込むのはオーナーの浦本剛徳さん。ところが…
たすパン
浦本剛徳店主
すいません。お先です。
突然店を出て別の場所へ。
居酒屋「炉端酒家たすいち」にいたのは浦本さん。実は居酒屋を2店舗経営する傍らパン屋も開業したのです。
なぜパン屋に参入したのでしょうか。
居酒屋がパン屋に参入
たすパン/たすいち
浦本剛徳店主
コロナになって夜の業態が不安定だった。
パン屋は昼の業態で主食に寄り添っていて可能性を感じた。
新型コロナの影響で居酒屋の売上が激減。そこで自宅に持ち帰って食べられるパンに目をつけたのです。とはいえパン作りは全くの未経験。
そこで頼ったのがリエゾンプロジェクトというベーカリーの開業支援を手掛ける企業「おかやま工房」です。去年はそれまでの1.5倍にあたるおよそ40店の開業をサポートしています。
リエゾンプロジェクトを運営
おかやま工房
河上祐隆社長
職人ではなく未経験者でもお客様が喜ぶパンを作れるようにした。
未経験者でも作れる?
未経験者でもなぜパンが作れるのか。
先程の福島市のパン屋「たすパン」を覗いてみると…
たすパン
浦本剛徳店主
小麦や油脂などは指定の物。
オリジナル小麦粉は国産小麦をブレンドしたプロジェクト独自のもの。これを使えば全てのパンを作ることができます。発酵や焼くときの温度なども全てマニュアル化。
小型のオーブンを使うことで設備費用も半分程度に抑えられたそうです。
たすパン
浦本剛徳店主
大きいオーブンを入れるよりも小さいオーブンをフル稼働しながらできたてを届けるやり方もある。
初期投資を抑えつつ、常に焼きたてのパンを提供できるメリットも。
お客さん
すごいサクサク。
お客さん
2回目。
近所においしい店ができて買い支えないという気持ち。
たすパン
浦本剛徳店主
経験が少なくてもできたての香りを届け、お客様に喜んでもらいながら経験値を増やしていって、より良く目指せると思っている。
原材料高でも儲かる?
しかし小麦などの原材料が高騰する中、パン屋は儲かるのでしょうか。
リエゾンプロジェクトを運営
おかやま工房
河上祐隆社長
国産小麦は外国産小麦ほど値上がりしていない。
原価率が低いことで粗利率が高い。目を付ける人も多いのでは。
コロナを機にますます人気が高まっているパン。あなたの街にもまた新たなベーカリーが誕生するかもしれません。