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[WBS]漁獲量が激減!未利用魚「サメ」の味は…[オイシックス・ラ・大地株式会社]

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懸念されているのが日本の漁獲量です。1984年をピークに漁獲量は減り続けていて、去年は3分の1以下のおよそ417万トンと過去最低を更新しました。

外国漁船の増加や水産資源の減少が指摘される中、いまサメを身近な食材として有効活用しようとする動きが始まっています。一体どんな味なのでしょうか。

食卓を襲う"水産危機"!大量のサメ 活用に期待

日本有数の港町、宮城県・気仙沼。

今朝、漁港を覗いてみると…

大熊智司記者

こちらはフカヒレの産地として知られる宮城県気仙沼市の魚市場です。
これから競りにかけられるサメがずらりと並べられています。

4,000匹を超える大量のサメです。

マグロ業などが盛んな気仙沼では網にサメが掛かることも多く、水揚げ量は全国のおよそ8割を占めています。

仲買人の吉田健秀さん。競り落としたあるサメを見せてくれました。

サメ専門の仲買人
カネヒデ吉田商店
吉田健秀さん

一番奥です。ちょっと小ぶりだが鮮度は抜群。

これはモウカザメ。冷たい海に住んでいるため脂がのり、鉄分も多く含んでいるといいます。

サメ専門の仲買人
カネヒデ吉田商店
吉田健秀さん

水分量もちょうどいい。煮ても焼いてもほわほわになる。
皆さんにおいしく食べてほしい。

吉田さんイチオシのモウカザメ。しかし、漁師などに聞いてみると…

第51喜福丸
河畑忍船主

モウカザメは売れる日にちが短くて鮮度がよくないと値段がつかない。
自分も食べたことはない。

気仙沼漁港
西條良孝次長

食用としてはあまり活用されていない。
ヒレの部分だけはフカヒレとして価値があるのでそのへんは使っている。

モウカザメはフカヒレとしては重宝されていますが、身の部分は地元でもあまり食べられていないようです。

サメ竜田揚げが人気!企業も漁港も熱視線

こうしたもったいない未利用魚に目をつけたのが食品の宅配などを手掛けるオイシックス・ラ・大地です。

オイシックス・ラ・大地
神田聡美さん

普段おいしくご飯を食べながらフードロスについて考えるきっかけ作りになればと商品化に取り組んでいる。

6月8日に発表会で披露したのが冷製トマトパスタ。

使っているのはサバの切り身を作る際に出る切れ端。これまでは捨てられていた部分です。

未利用魚の活用などで年間310トン分のフードロスを削減しているというオイシックス。

いま注目しているのが…

モウカザメの竜田揚げです。

気仙沼で水揚げされたあのモウカザメです。

その味は…

星佑紀記者

しっかり歯ごたえもありますね。
食べられているような白身魚にかなり近くてクセはほとんどないです。
食べやすいです。

なぜモウカザメに注目したのでしょうか。

オイシックス・ラ・大地
神田聡美さん

せっかく作った野菜や水揚げされた魚、本当は食べられるものは余すことなく食材を販売する会社としても活用していきたい。
水分が多いからこそ火を通しても硬くならずしっとりしておいしい。
新鮮なうちに加工すると臭みもないなどの特徴を生かしてメニュー化した。

このモウカザメの竜田揚げ、4月から期間限定で販売したところすでに完売。

その人気ぶりから来月からレギュラーメニューとして再販が決定しました。

これには気仙沼の加工業者も期待を寄せます。

「竜田揚げ」を加工するMCF
千葉豪社長

他の魚は毎年取れたり取れなかったり浮き沈みがある。
サメだけは同じように来るので、サメが順調に売れるようになると浮き沈みのない生活が送れる。

地元の漁業組合も…

気仙沼漁港
西條良孝次長

とても良いこと。
人が食べる物に関して皆さん興味持ってもらえれば、販路やいろいろと使い道があるので、もっと知ってもらえる。

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