今の時期、多く出回るイチゴですが実はアメリカでは日本のような新鮮で甘いイチゴを手に入れることが難しいのです。
そこに目をつけた日本人が新たなビジネスを始めています。
Oishii Farm(オイシイファーム)
[blogcard url="https://www.oishiiberry.com/"]
アメリカのニューヨーク、マンハッタンにあるスーパー。
果物売り場の一角にイチゴが並んでいます。
買い物客がイチゴのパックをひっくり返し、またひっくり返し、さらにまた一つ…
売られているイチゴを見てみると、なんとカビが生えています。
新鮮なイチゴを手に入れるのは難しい。
アメリカで手に入るイチゴの大半はメキシコや西海岸のカルフォルニアで生産。
ニューヨークでは新鮮なイチゴがなかなか手に入りません。
そこに目をつけたスタートアップ企業がニューヨークの隣、ニュージャージー州の倉庫街にあります。
アメリカで初めてイチゴの植物工場を作ったOishii Farm(オイシイファーム)です。
アメリカやインド、シンガポールなど多国籍のチームを率いいているのは日本人の古賀大貴さんです。
アメリカは農業大国だが生産地がカリフォルニアに集中。
それ以外の場所で新鮮な野菜は手に入りにくい。
植物工場を建てることで新鮮な野菜を提供する大きなチャンスに。
植物工場はオフィスの奥にあります。
できるだけ菌が入らない状態を維持するために必ず着替える。
植物工場
ここがイチゴの植物工場。
イチゴにとって最適な気温や湿度、光の量など全てが管理されています。
毎日、数百個のイチゴを収穫しています。
アメリカのイチゴの糖度は平均7~8度。
古賀さんのイチゴはというと、
個体差はあるが15度前後の糖度、ものによっては20度出る。
毎回同じ環境で作っているので安定的に高い糖度が出る。
美味しいイチゴを作るためのヒミツは光とハチ。
企業秘密だが特殊な技術を使ってハチが受粉できる環境を整えている。
ハチによる受粉はコストの削減や安定したイチゴの生産にもつながるそうです。
バイヤーから市場価格の2倍から3倍で取引したいと言われる。
とても強気な価格設定ですがオイシイファームのイチゴに勝算はあるのでしょうか?
シェフの集まり
12月初めのマンハッタン。
ニューヨークのセレブを顧客に持つシェフの集まりが開かれました。
実は古賀さん、ここに自慢のイチゴを持ち込んだのです。
あまりにも真っ赤なイチゴを前にシェフたちも興味津々です。
とても甘い。
とろけそう。
アメリカのイチゴと比べて甘く、柔らかい食感が好評。
最高のものならレストランは買うわ。
新鮮なリアクションはさらなる自信につながる。
すでにミシュランの星付きレストランなどからも発注を受けているといいます。
投資
これから投資家とミーティング。
今日の相手は日本のベンチャーキャピタル。
古賀さんはビジネスの拡大を目指し、ほかの機関投資家とも話を進めています。
年明けにはアメリカの投資家との交渉も始める予定です。
すでにオイシイファームに出資している投資家もいます。
DeNAの共同創業者で投資家として知られる川田尚吾さんです。
ニューヨークで買ったイチゴの品質の悪さに驚いたといいます。
市場があり商品が供給されない所に新鮮なイチゴを供給することは裁定取引に近く確実に売れる。ビジネスリスクはあまり感じなかった。
2倍から3倍という販売価格についても全く問題ないといいます。
オイシイファームは来年、隣の敷地に工場を拡張する予定です。
今ある施設の40倍から50倍のイチゴの植物工場を来年建設予定。
新しい工場ではニューヨーカーが気軽にスーパーで買えるぐらいの生産量を見込んでいます。
イチゴ以外の作物にも展開してシンガポールやドバイなどにも進出し世界最大の植物工場を目指す。