地域で奮闘する企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」。
今回は東大阪市の企業です。自転車で転倒した際に子どもを守るチャイルドシート。開発の現場では安全性を高めるために過酷なテストが繰り返されていました。
OGK技研株式会社
[blogcard url="https://ogk.co.jp/"]
さいたま市のサイクルショップ「サイクルステーション大宮店」。

店内には100台以上の自転車が並び、自転車用のパーツやアクセサリーも多数の品揃えです。
サイクルステーション大宮店の斉藤晋平副店長、
売れているのがGRANDIA。

自転車用チャイルドシート「GRANDIA」。

人気の理由はヘッドレストとの囲い。

他製品より深めなのがポイント。安全性を気にするお母さんんい人気。

衝撃吸収材を組み合わせた頭の周りを270度囲むトリプルヘッドガード。転倒した際、頭部へのショックを和らげます。

普段は別のチャイルドシートを使っているという女性に使い心地を試してもらうと、

今乗っているものだとヘッドガードが低いので雨カバーをかけるとぶつかって苦しい。

GRANDIAは背丈があるので苦しくなく乗れる。

開発したのは自転車用チャイルドシートで国内シェア7割を誇るOGK技研です。

GRANDIAを含む累計販売台数は660万台以上に上ります。

大阪府の中央に位置する東大阪市。日本有数の中小企業密集地として知られています。

ここにOGK技研の本社が。

1941年創業の自転車部品メーカーで、従業員は116人。売上高は27億円に上ります。


GRANDIAを開発したのは坂口裕哉さん、そのきっかけとなったのは、
ネットで自転車ヘルメット着用を推奨する動画を見た事がきっかけ。

店頭の際に頭部を強く地面に打ちつけているのを見て、もし自分の家族だったら、どうしようと思って作った。

ヘッドガードの内部に使われる衝撃吸収材は発泡スチロール。そこにポリプロピレンという耐久性の高い樹脂を包み込んで成形。

クッション性にも優れ、頭への衝撃吸収率は90%以上を誇るといいます。

さらに安全性を高めるために敷地内にはこんな施設も…
こちらでは新製品の開発や製品の定期的なチェックが行われているのです。

OGK技研の木村泰治社長、
弊社独自の試験基準を設けて製品の試験を行っている。

安全協会で定められている基準の約4倍の独自の基準を振動試験機でチェック。

この振動試験機は様々な走行シーンを再現することが可能で、製品の安定性や耐久性をチェック。ネジやベルトの緩み、小さな亀裂などを見逃さないように厳しく確認していきます。

衝突試験ではスーパースローカメラを使用し、ヘッドガードがしっかり頭部を守っているかチェック。
さらにこの装置ではマイナス10度から60度の悪条件を作り出し、製品の劣化具合などを調べています。

製品開発の段階で何度も繰り返す。

量産品も半年に一回必ず試験をしてブレが無いかチェックする。

実はOGK技研、チャイルドシートの製造に乗り出す前は長年に渡り自転車用のグリップを主力製品にしていました。

しかし、1990年代から自転車メーカーの中国への移転が加速したことで売り上げが低迷していくことに。

そこでこれまで培った樹脂の技術力を生かし、完全プラスチック製のチャイルドシートの製作を開始。
当時主流だった金属製のものと比べ、プラスチック製は雨などで錆びる心配もなく、たちまちヒット商品に。

その技術は至るところに活用されています。例えばこの足を置く部分にも。
街中の電信柱やポールに子供の足がぶつからないように作った。

壁があるので従来だと作れない形だが部品を2つに分けることで可能に。

さらに去年、新ブランドを立ち上げてアウトドア商品の販売を開始。

こちらのサイクルライト「LANTERN LIGHT」は取り外すとランタンとしても使えます。

夢はOGKと言われれば「家族の移動に必要な商品を作る会社」。

そういうブランドを目指して発展させていきたい。
