中小型ビルのユニーク戦略!
都心に働くビジネスマンに理想のオフィスビルについて聞きました。
紀尾井町の新しい東京ガーデンテラス紀尾井町
東京駅前のJPタワー、眺めがいい。
汐留シティセンター、景観があこがれる
開業したばかりの新築物件や景観のいいビルが名を連ねます。
4月のオフィスビルに関する統計で都心部の平均空室率は3月に比べて0.11%低下して4.23%でした。
平均賃料は28ヶ月連続で増加して1坪あたり1万8,061円。
人材を積極的に採用する大企業の需要が高く、人気のオフィスは埋まりつつあります。
しかし三幸エステート株式会社の今関豊和チーフアナリストによると
中型のワンフロア50~100坪のビルは大規模ビルより2%空室率が高い。中小ビルの方が空きが出やすい。
中型ビルなどの空室率は大規模ビルよりも高い傾向が続いています。
少なくてもコンビニがあるとかは大規模ビルなら一般的だが中小型ビルだとなかなかそういったスペースがない。
新目黒東急ビル
しかし中規模でありながら入居率100%のビルが東京都品川区にあります。
新目黒東急ビルです。
オフィス部分には特に変わったところはありません、
女性社員が休憩時間に向かったのは屋上にある庭園です。
庭園は植物が多く、ビルに囲まれていることを感じさせないつくりです。
とてもリラックスできて気分転換になる。
庭に置かれたテーブルにはコンセントが付いていてパソコンを使った仕事も可能です。
女性はほかにも気に入っている部分があるといいます。
洗面台のほかに化粧ができるスペースがあって使い勝手が良い。
女性用トイレには洗面台のほかに化粧直しのためのスペースが用意されています。
鏡には顔が明るく映るように照明が付けられています。
地下にはビルの利用者が無料で使えるシャワーブース。
こうした設備が女性の大き会社に人気となり2012年の竣工以来空室はゼロです。
開発したのは東急不動産株式会社。
このビルの成功を受けて大型のビルでも庭付き物件などを展開する予定です。
都市事業本部ビル事業部の仲神志保グループリーダーは
近年、働き方、性別も年齢も多様化している。オフィスに付加価値や働きやすさを求めているお客様が非常に多い。今後も緑や働きやすさをテーマに開発していきたい。
新大阪第27松屋ビル
大阪でもサービスという付加価値を売りにしているオフィスビル「新大阪第27松屋ビル」があります。
テナントとして入居している宝醤油株式会社の西日本営業部の酒井正明部長は
無料で貸し出ししているので費用はかかっていない。いろいろな備品を貸し出しているので重宝している。
このビルでは入居している企業のため、自転車や掃除機、葬儀用のネクタイから数珠まで50品以上の備品を無料で貸し出ししています。
サービス面で付加価値を高めた「新大阪第27松屋ビル」を運営するプログレスの松任保勇社長が特に力を入れたのは「POTE-LABO」です。
オフィスとは一線を画したパーティールームがコンセプト
中を案内してもらいますとオフィスビルとは思えない空間が広がっていました。
ストレス解消のためのサンドバッグやTVゲームまで、約500万円を掛けてリフレッシュルームを作りました。
入居していただけるということもあるが退去の防止力にもなっている。
昼時には横になって休む入居者の姿もあります。
仕事でストレスがたまったとき、事務所を出てここでゆっくりできる。
社内でできる会話とできない会話がある。ここではプライベートな会話もできる。
松任保勇社長が仕掛けるサービスはこれだけではありません。
地下の駐車場では
カーシェアリングの車です。普段は車を使わない企業でも営業で取引先に行くときに使ってもらえるように。
料金は30分150円+1km当たり20円です。ガソリン代は無料。
サービスを徹底的にこだわることで中規模ビルでも魅力を高めることができるといいます。
時代とともに建物は老朽化するがサービスは進化し続ける。