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[WBS] 沿線住民の争奪戦が激化!新型ロマンスカー「真の狙い」は!?

2017年12月6日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

東京の山手線、施設の各路線と電車。

北から見てみると池袋につながる東武、西武、新宿につながる京王、小田急、品川につながる京急。

私鉄各社が相次いで投入、または強化しているのが使い料金を払えば座って快適に通勤ができる座席指定列車です。

この中で12月5日、小田急電鉄が特急「ロマンスカー」の新型車両を公開しました。

実は小田急が30年掛けて取り組んできた複々線化。これは道路でいうと車線を増やすという作業ですがこれが2018年の春にようやく完了するということで運行本数が増えるのに合わせて投入される予定です。

しかし、実は鉄道サービス向上にとどまらないある壮大な計画が動いています。

小田急電鉄株式会社

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出発進行!

音楽と共に華々しく登場した真新しい車両。

10年ぶりに導入される小田急の新型ロマンスカーです。

新型特急ロマンスカー70000形

先頭車両はこれまでと同様に大型の1枚窓を備えた展望車になっています。

早速、その車内に大浜平太郎キャスターが入ります。

ロマンスカーの象徴、先頭の展望車両。かなり明るいです。やっぱり窓が大きい、見てみると分かりますが従来よりも窓が30センチほど広くなっています。かなりの開放感です。

こだわったのは広い窓。展望窓だけでなく客席のすべての窓をこれまでよりも約30センチ高くしました。旅の景色をさらに堪能してもらうためです。

また観光列車としてトランクなどの大きな荷物にも対応できるように専用の荷物置き場や座席下のスペースを活用する工夫も取り入れました。

しかし、それだけではありません。

今回のロマンスカーは通勤用としても強化しています。

テーブル、少し大きめなサイズ。下に電源のあるのでパソコンなどを置いて通勤客のお客様がちょっとした仕事ができる仕様になっている。

小田急は2018年3月、代々木上原~登戸間を複々線化し、列車の本数を大幅に増やします。

新型のロマンスカーはその際に投入される予定です。

実は現在も都心に向かう通勤時間帯のロマンスカーはほぼ満席状態のため小田急は通勤列車としてのロマンスカーをより充実させる戦略です。

「新型ロマンスカー、観光・通勤の両使いの意味は?」

小田急電鉄の星野晃司社長は、

快適通勤としてゆったりと座って行きたいというニーズも高まっている。特別列車のロマンスカーで通勤・観光の両方を楽しんでもらいたい。

リーフィアタワー海老名 アクロスコート

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観光と通勤の二兎を追うロマンスカー。

その狙いが見えてくるのが海老名駅です。

その駅から約3分の位置で進んでいたのはタワーマンションの建設でした。

「リーフィアタワー海老名」、小田急グループが三菱地所レジデンスと組んで建設・販売。地上31階建てで2020年に引き渡し予定です。

価格は2LDKで4,000万円台、3LDKで5,000万円台を想定しています。

周辺の相場よりやや高めに見えますが、このマンションの一番の売りは「小田急の通勤が変わります」。

複々線化によるダイヤ改正に伴い通勤時間帯に海老名駅で停車するロマンスカーが増えるのです。

駅の利便性の良さをてこにマンションを売ろうとしています。

秘策は「自宅の買取保証」

さらに今回、マンションを販売するための珍しい試みがあります。

小田急不動産住宅販売部の清水徹所長は、

「住んだまま買い取り保証制度」といいまして、いま住んでいる自宅の買い取りを小田急不動産で保証する。

持ち家を持つ人がマンションを購入したい場合に困るのがこれまで住んでいた家の売却です。

小田急不動産はその持ち家の買取額を見積り、その価格の9割を上限に買い取る保証をします。

さらにマンションに入居するまでに家を売却できなければ小田急不動産が買い取ります。消費者にとっては家の販売価格が分かるため資金計画が立てやすくなりマンションを購入しやすくなるといいます。

この試み、街の人はどう受け止めるのでしょうか?

マンション購入を考えている人は、

自宅がいくらで売れるか分からないと、どのくらいのマンションが買えるか分からない。そういう制度があればうれしい。

小田急グループの狙い

ロマンスカーの本数を増やし、駅に停めて、そこにマンションを建てる。

そこまでやる小田急グループの狙いは?

星野社長は、

街に住む人も訪れる人も増やしていくのが我々の開発計画。ロマンスカーを停めることによって街の魅力を向上させたい。

駅の利便性向上と街の開発の相乗効果で沿線都市の活性化を狙います。

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