リニア中央新幹線の建設を巡って不正入札の疑いが持たれている事件について。
2017年12月、大手ゼネコンの4社に対して東京地検特捜部が独占禁止法違反の疑いで家宅捜索に入りましたが捜査の進展はまだ見られていません。
そんな中ですが、大林組はすでに独占禁止法に違反したことを自主申告していて課徴金の全額免除などが認められるといいます。
そして1月22日がその自主申告の期限となっています。
果たして大林組以外の大手ゼネコンはどのような対応を見せたのでしょうか?
今回、WBSでは独自に家宅捜索を受けた各社の幹部などに直撃取材をしました。
リニア中央新幹線不正入札疑惑
総工費約9兆円の巨大プロジェクトであるリニア中央新幹線の工事に浮上した不正入札疑惑。
2017年12月、大林組、鹿島、清水建設、大成建設の大手4社に東京地検特捜部のメスが入ってから約1ヶ月半、1月22日にある節目を迎えました。
それは「リーニエンシー制度」。
リーニエンシー制度
独占禁止法に基づく課徴金減免制度、いわゆるリーニエンシー制度を利用すると談合したことを最初に公正取引委員会に自主申告した会社は課徴金が全額免除され、刑事告発の対象からも外れます。
2番目に申告した会社は50%、3番目以降は30%、課徴金が免除される仕組みです。
このリーニエンシー制度の自主申告期限が1月22日までなのですが…
伊大知明宏記者は、
先月、家宅捜索を受けた後、大林組は談合があったことを認め、公正取引委員会に自主申告をしていたということです。
株式会社大林組
[blogcard url="http://www.obayashi.co.jp/"]
2017年12月にWBSが特捜部から任意で事情聴取を受けている大林組の土木担当のトップ、土屋幸三郎副社長を直撃しました。
今、調査中なのでそういう件に関してはお答えできない。
[blogcard url="https://lovely-lovely.net/business/obayashi"]
実は大林組はこの時すでにリーニエンシー制度を利用。他の3社に先んじて捜査に全面的に協力し見返りとして刑事告発を免れるという、いわば司法取引のようなものをしていたのです。
1月21日、改めて大林組の土屋副社長を直撃すると、
「明日がリーニエンシー制度に基づく申告期限。鹿島、清水、大成が申告していないことについて?」
そういうことについては他社のことですから分かりません。
「リーニエンシー制度に基いて大林組は談合をしたと認めたのか?」
そういうことについても捜査中なのでお答えできませんので申し訳ございません。
談合について明確には否定をしなかった土屋副社長。
特捜部は大手ゼネコン4社の頭文字と見られる「O(大林組)」、「K(鹿島)」、「T(大成建設)」、「S(清水建設)」と書かれた工事の受注の一覧表をすでに入手。
大林組が談合を認めたことで他の3社の中からも談合を認めるところが出てくると思われましたが、談合事件に詳しい五十嵐敬喜弁護士は、
東京地検特捜部から見るとかなり当てが外れているんじゃないかと思う。今日、この時点で大林組が自白しているにもかかわらず、3社が申告していないということは談合していない自信があるから。
各幹部
1月22日、WBSは鹿島、清水、大成の幹部などに直撃。
リーニエンシー制度を利用して違反を自主申告するのか聞くと…。
鹿島の押味至一社長、
「リーニエンシー制度の申告期限になっているが?」
はい、はい、はい。特には今変化がありません、何も今日は語りません。
大成建設の村田誉之社長、
「談合の事実はあったのか?」
…。
清水建設、
操作にかかわる話なので、回答を控えます。
鹿島、清水建設、大成建設の3社は自主申告を見送ると見られます。
果たして不正疑惑の全容解明は…