ハイテク産業における新たな米中対立。今回やり玉に挙げられたのはアメリカのエヌビディアです。AI(人工知能)に欠かせない半導体などの設計を手がけ、年間の売上高は3兆円以上という企業です。アメリカ政府はこのエヌビディアに対して中国などへ輸出に規制を課しました。一体なぜなのでしょうか。
アメリカ半導体の輸出規制を強化!
中国の国際競争力低下!?
中国・上海で開かれているのはAI(人工知能)の展示会。
ファーウェイやアリババ集団など中国を代表する企業が出展。工場などを自動で巡回するロボットに無人自動運転の清掃車などAIを活用した技術が集結しています。
なかでも出展数が多かったのはAIの要となる半導体関連の中国企業です。
その半導体をめぐってある動きが…
アメリカ政府がアメリカの半導体大手エヌビディアに対して中国・ロシアへの製品の輸出は政府の承認が必要と通知したのです。
対象は「A100」と呼ばれる半導体などです。どのような商品なのでしょうか。
楽天証券
チーフアナリスト
今中能人さん

データセンターの中でAIを駆動するチップ(半導体)。
今のデータセンターは巨大なデータセンターになると対顧客の自動音声システムは必ずいる。
そのときにAIでお客さんの言葉を認識して的確に返答する。
番組スタッフ
「A100」はデータセンター産業でかなりのシェア?

楽天証券
チーフアナリスト
今中能人さん

ほぼ独占。
アメリカは規制強化の理由について、こうした半導体は軍事転用の恐れがあるためだと説明しています。
番組スタッフ
軍事分野以外の産業への影響は?

楽天証券
チーフアナリスト
今中能人さん

影響はそれなりに出る。
入手が困難になると中国国内のデータセンターの国際競争力は明らかに低下する。
強気の中国「逆効果だ」
一方、中国側はこの規制はむしろ国内の半導体産業を発展するきっかけになると強気の姿勢です。
上海支局
菅野陽平記者

中国の新興の半導体の設計会社です。こちらがその最新のGPU(画像処理半導体)です。完全にフタがされていて中を一切明かしていません。
性能のグラフではこの商品を表した青いグラフはあらゆる分野で海外の製品を上回っています。
この会社は創業わずか3年。画像半導体のGPUで高い演算能力が評価され、人工知能を運用するデータセンターや通信会社のシステムへの採用が決まっているといいます。
Biren Techology
担当者

われわれは国際的な製品に匹敵する高性能製品を出す中国初のベンチャー。
ほかの出展者からも…
半導体企業の担当者

国産の半導体で市場を埋められるまで国内メーカーの努力が必要。
将来的には国産の半導体で代替できるようになる。
半導体企業の担当者

アメリカの輸出寄生が出るたびに国産化が促進され逆効果。