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[WBS] 「通勤ラッシュ」の解消へ…6万人の在宅勤務&時差出勤!

2017年7月24日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

2020年7月24日は東京オリンピックの開会式です。今日からちょうど3年後です。

そこで東京オリンピックを成功させるため様々な試みが行われています。

東京の通勤ラッシュ、オリンピック期間中は観光客が大勢集まることから都心の混雑がさらに激しくなる恐れがあります。そのため総務省などは7月24日を「テレワーク・デイ」と定め、企業に参加を呼びかけました。

テレワークとは一体何かというと、会社まで行かずに自宅で働く在宅勤務、またはシェアオフィスなどで働くという取り組みのことです。その他にも会社に行く時間をずらす時差出勤なども含まれます。

総務省などによりますと2012年のロンドンオリンピックの時はロンドン市内の8割の企業がテレワークを導入して混雑の緩和に効果があったといいます。

今日のテレワーク・デイには全国で6万人が参加しました。その効果を番組では検証しました。

株式会社NTTデータ

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高層マンションやオフィスビルがそびえ立つ東京・豊洲地区。開発が進むとともに人口はここ10年で約6割増加して11万6,059人になりました。

地区で働く人も増え毎朝、地下鉄の駅では激しい混雑が起きています。

東京オリンピックの時には会場に近いことから、さらに激しさを増すと見られ混雑への対策が求められています。

豊洲に本社を構えるITサービス大手のNTTデータ。テレワーク・デイの実験に参加した1社です。

NTTデータの人事本部長、柳圭一郎取締役、

こちらは人事本部のオフィス。通常は人がいる。今日はテレワーク・デイで数人を除いて出社していない。夜遅い時間ならこういうこともあるが明るいときに人がいないのは不思議。

通常、80人ほどが働いているオフィスですが今日はほぼ空の状態です。

NTTデータでは豊洲の本社に勤務する約6,400人の社員のうち4,700人が今日、テレワークや時差出勤をして混雑対策に取り組みました。

月8回までテレワークを許可しているNTTデータですが、これまでは1日100人ほどの利用にとどまっていました。育児や介護など特別な理由を抱えた社員の利用が多かったといいます。

ここ数年で制度が緩和されて出張帰りなど、いろいろな人がテレワークをしている。ただ一般的とまでいっていない。政府の呼びかけをきっかけにして新しい取り組みを普及させたい。

テレワーク

社員は家でどのように働いているのでしょうか?

今日、テレワーク制度を利用したのはデータセンタ統括部営業担当の松村一輝さん(35歳)。

自宅から職場までは電車で1時間半ほどかかります。

満員電車は体力が削られてしまったりする。テレワークだと落ち着いて仕事のことを考えられるのがいいところ。

テレワークで使うのは会社で支給されたパソコン。使い捨てのパスワードで社内の専用サイトにアクセスして作業をします。

この日は会議などがなかったため仕事のやり取りは電話とメールで済みました。

実は2人目の子供が生まれたばかりの松村さん。子供が生まれたことでもっと積極的にテレワークを利用したいと考えるようになりました。

妻の理絵さんは、

子どもの面倒みていると、ちょっとトイレに行ったり、宅配便が来たときとか一瞬でもいいので人がいると助かる。

家族がすぐそばにいる環境。仕事ははかどるのでしょうか?

日々仕事、満員電車で通勤していると、そればかりに集中してしまって、リラックスしたときこそアイデアが湧くこともあるのでこういった制度は使っていきたい。

ちょくちょく…

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JR吉祥寺駅から歩いて1分の場所に立つビル。

ここには登録した企業の従業員が利用できる時間貸しのオフィス「ちょくちょく…吉祥寺」があります。

パーティションで仕切られたブース席は15分ごとに200円。オープンスペースのソファ席は15分あたり150円です。

利用料は会社に請求が行くので気軽に足を運ぶことができます。

広告業・営業職の方は、

子育てをしているので子どもの迎えで直行・直帰などある。会社に戻る移動の時間よりもお客様の所に行けと会社も推奨している。

IT企業・技術職の方は、

テレワークの日ということで会社的にも協力すると。

普段、午前中は空席も多いといいますが今日はテレワーク・デイということで午前10時にはソファ席、ブース席ともにほぼ満席となりました。

運営会社はいま首都圏に30あるこのオフィスを10倍に増やすことを検討しています。

オリンピックが終わった後もテレワークの普及はさらに進むと見ているのです。

株式会社ザイマックス経営企画部、長田健登マネージャーは、

時間を有効活用し生産性の高い仕事をする。環境を準備できるかが競争力になる。

通勤ラッシュは減ったのか?

新たな市場としても注目が集まるテレワーク。狙いの通勤ラッシュ緩和の効果はあったのでしょうか?

独自に検証してみました。

豊洲駅、今朝9時頃。周辺の5つの企業に勤める約1万人がテレワークに参加すると見込まれていました。

先週、金曜日の同じ時刻の様子と見比べてみてもあまり変化はないようでしたが…。

「朝の通勤状態をみるとまだ効果が出てないようだが?」

高市早苗総務大臣は、

今回の取り組みをきっかけにテレワークの効果に気付いてもらい、普段もやってみようかという機運が高まっていくことに期待している。

総務省は今回参加した企業に通勤ラッシュの時間帯に出社せずに済んだ人数などを報告させテレワークの効果を分析することにしています。

今回の成果を見ながら、これまでの取り組みを改善できるかも考え継続的なテレワークの普及に向け取り組んでいきたい。

オリンピックまであと3年、テレワークは定着するのでしょうか?

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