せまい業界!ドリル&カッター業界
超精密ドリル エンドミルがスゴい
続いてやって来たのは東京都品川区に本社を構える日進工具。
「ドリルですか?カッターですか?」
日進工具の後藤弘治社長。
どちらかといえばカッター。ドリルの要素もあります。
がっちりです!
カッターのようなドリルとは一体何なのか?
謎の儲かりツールを求めて吹雪の中向かったのは宮城県にある開発センター。
日進工具の後藤隆司副社長。
これです!
ドリルのように見えるんですけどエンドミルという工具。
直径6mmほどの小さな工具が日進工具の儲かり小ツールらしい。
でも、何がどうスゴいのか?
このエンドミルを使って鉄を削ります。
このドリルで鉄を削る?では、皆さんよく見ててくださいよ。
なんと鉄に穴を空けるだけじゃなく、縦に横にと四角く削っている。わずか30秒で3cm四方の四角形が完成。
しかも削った側面をご覧ください。ツルッツル、角もキレイに削れている。
さらに…
スゴいでしょ。
曲線も自由自在。
このエンドミル、先端の大きさを変えればもっと小さくて細かい形状にも削れる。
さらに先端を丸型に付け替えればピカピカに仕上げちゃう。
しかもこの加工、その精密さが売りで削って磨き上げた鉄を重ねると…うわぁ、隙間なく合わさる。
穴も開けられるし、いろんな形状にも加工できる。
これがエンドミルの特徴。
でも、なんでこんなにキレイに削れるのか?
ヒミツは先端部分の溝。
切りくずをいかに外に出すかが非常に重要。
切りくずを中で巻き込むとエンドミルが折れてしまう。
切りくずを外に出してあげれば削れる。
切りくずをどう出すかを念頭に置いた形状。
1秒間に1,000回という高速回転で鉄を削るエンドミル。
削った切りくずを巻き込んでしまうと折れるだけでなく、切りくずが周りの金属にも擦れてボロボロになってしまう。
なので切りくずを瞬時に外に出すよう溝の角度、形状、深さを1,000分の1mm単位で設計している。
で、この日進工具のエンドミルは何に使われているのか?
主に金型を作っています。
これが金型。
スマートフォン、自動車、カメラ、腕時計、パソコン、身近なものばかり。
さなざまな新製品やパーツを作るのになくてはならないのが型に流し込んで形を作る金型。
この金型を精密かつ正確に作るのがかなり大事でとっても大変なんですが、それを可能にしているのがエンドミルなんです。
6ミリ以下の小径のエンドミルの括りでみると大体200億円ぐらいの市場。
そんな中でもシェア4割を誇る極小エンドミルのトップメーカー日進工具。
その年間売上げはなんと95億円というからそうとう儲かっている。