免疫療法の技術を使ったキムリアという白血病の治療薬です。
5月15日、日本での販売金額が決まりましたが、その額は3,349万円で、日本最高額の薬ということになりました。
高い効果が期待される一方で医療財政への影響を懸念する声が上がっています。
ノバルティスファーマ株式会社
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5月15日、厚生労働大臣の諮問機関は白血病治療薬「キムリア」の販売価格を患者1人あたり3,349万円に決定しました。
キムリアは患者から取り出した免疫細胞にがん細胞への攻撃力を高める遺伝子を注入。培養して患者の体に戻すというもの。
大量生産ができないためすでに販売されているアメリカでもおよそ5,000万円と非常に高額です。
投与は1回だけで済むといいます。
厚労省によるとこの薬が必要な患者は年間およそ200人。販売金額は72億円になる見通しです。
キムリアは来週から保険適応となり年収500万円の人の場合、自己負担額は40万円になります。
3,349万円が約40万円の仕組み
3,349万円もするキムリアがなぜ40万円になるのかその仕組みを確認していきます。
サラリーマンの場合、健康保険はたちが収める保険料と勤め先の企業や国からの税金で賄われています。
そして私たちが病院に行った時に支払う薬や治療の費用は健康保険が7割、そして私たちが窓口で自分で払うお金、自己負担が3割です。これがいわゆる3割負担というものです。
3割負担でもキムリアの場合、1,000万円近くになってしまいますが、そこでこの医療費を支払えない人を救済しようとする制度があります。それが高額療養費制度といいます。
こちらは収入に応じて負担する金額に上限がありますが、例えば年収が500万円の人の場合、健康保険から補填され実際に支払うのはおよそ40万円ということになります。
この制度で患者の負担というものは少なくなりますが、実は問題があるのはここではなくて健康保険です。実は健康保険は6割が赤字なんです。
このままでは健康保険が立ち行かなくなります。
この赤字をなんとかしようということで実際に年収に占める保険料の割合が12年連続で上がっています。平均でおよそ11万円も増えているということです。
さらに今後、2022年にはその割合がさらに上がって9.8%になり、いまよりも5万円以上負担が増えると見込まれています。
こうした状況から健康保険組合連合会は5月15日、
今の保険制度は湿布薬やビタミン剤も同等にカバー。医薬品の概念が変わるなら制度も時代に合わせるべき。
ということで、現状の制度の見直しを提案しました。
病院から処方箋をもらって私たちが3割負担で購入することができる湿布薬や風邪薬などを保険の適応から外して市販薬に賄ってもらおうという提案です。
そこで滝田洋一さんから一言があります。それが、
医療の高度化に対応する仕組みを!