北朝鮮によるさらなる軍事的挑発が懸念される中、アメリカを中心として日米韓が即応態勢の強化を急いでいます。
北朝鮮 7度目の核実験も…?
日米韓の即応態勢加速へ
ソウル支局
武部慎一記者

韓国では北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け、直ちに米韓による共同訓練が実施されました。
共同訓練は標的に向けて精密誘導爆弾を投下するもので米韓両軍で「精密打撃能力と報復態勢」を示し、北朝鮮をけん制した形です。
また韓国国防相は10月4日に国会への報告で北朝鮮について今後計画された手順に従い、挑発の強度を高めていくと予想されると述べ、核実験も5月に準備を完了して、その態勢を維持していると説明しました。
7度目の核実験について韓国の情報機関「国家情報院」も10月16日から始まる中国共産党大会終了後から11月8日のアメリカの中間選挙の間に実施される可能性を指摘しています。
尹錫悦大統領も今回のミサイル発射に「韓国軍や同盟国、国際社会の決然たる対応に直面するだろう」と警告していて、さらなる挑発を抑止するため日米韓での連携を強めていく考えです。
金正恩総書記が長距離弾道ミサイルや7度目の核実験に踏み切るのか、朝鮮半島をめぐり緊張の高まりは避けられません。
2日連続で異例の会談
日本「反撃能力」めぐる議論加速も
官邸キャップ
篠原裕明記者

度重なるミサイル発射を受けて岸田総理はアメリカのバイデン大統領と電話会談し、日米同盟の抑止力強化を確認する方針です。
岸田総理

今晩、バイデン大統領と電話会談を行う方向。
国連の安保理決議に従った完全な北朝鮮の非核化に向けて、日米そして日米韓、さらには日韓、こうした連携を一層確認し、強めていかなければならない。
岸田総理はこの他に2日連続でアメリカのインド太平洋軍トップと会談し、ミサイル発射を受けた自衛隊とアメリカ軍の共同訓練の実施によって隙のない連携を示すことを確認しました。
日本の総理がアメリカ軍司令官と2日連続で会うことは異例のことですが、総理周辺はそれだけ日米の意思を確認する必要があり、具体的な形として共同訓練を発表したと述べて、日米同盟の具現化こそが北朝鮮に対する抑止力となり得るとの認識を示しました。
また自民党内からは北朝鮮はミサイル防衛能力がない、抑止力を本気で考えるなら、やはり相手のミサイル発射基地を事前に攻撃する反撃能力を日本が保有し、けん制することが有効だとして、来年度予算の防衛費俗楽の政治的機運が高まるとの見通しを示しました。
日本政府は今後、北朝鮮がさらに挑発的となり2017年以来、7度目となる核実験に踏み切る可能性も十分あるとみて警戒を強めています。