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[WBS]飛行距離4,600km!北朝鮮ミサイルが日本上空を通過

ワールドビジネスサテライト(WBS)

10月4日午前、北朝鮮が発射した一発の弾道ミサイルが日本の上空を通過しました。推定の飛行距離はおよそ4,600kmと過去最長です。国民に危険と避難を呼びかける警報システムが鳴り響き、市民生活にも影響が出ました。日米間3ヵ国は国際社会に対する明白かつ深刻な挑戦と北朝鮮を非難しました。

北朝鮮ミサイル過去最長
日本通過で生活に影響も

5年前発射された火星12型。北朝鮮が保有する中距離弾道ミサイルです。

今回発射されたのは同型の可能性があります。

松野官房長官

飛距離は4,600km。最高高度は約1,000kmと推定。

ミサイルは午前7時22分ごろに北朝鮮で発射。7時28分~29分ごろに青森県の上空を通過しました。

そして午前7時44分ごろ、太平洋上の日本のEEZ(排他的経済水域)の外に落下したとみられます。

およそ4,600kmと推定される飛行距離は過去最長。アメリカのグアム島が射程圏内に入ります。

日本上空を通過するのは7度目で2017年9月以来です。

ミサイルが通過した青森県では全国瞬時警報システム「Jアラート」を使ったサイレンが鳴り響きました。

青森在住の男性

焦りました。「来たか」という感じ。全然地下とか避難場所がない。
だからもうどうしようもないなと思った。すごく腹立たしい。

Jアラートは北海道や東京の島しょ部でも。ただ、東京の島しょ部は対象地域ではありませんでした。

ミサイルの影響で北海道では交通機関にも混乱が。

駅の利用者

電車が止まって、学校に間に合わないのではと。
目的の駅についてからも駅が混んで、まひしていた。

JR北海道は新幹線を含む全線で一時停止。また東北新幹線も新青森-盛岡間で運転を一時見合わせました。

空の便でも新千歳空港に到着予定のスカイマークが盛岡で旋回対応を余儀なくされ到着が遅れました。

北朝鮮ミサイル日本通過

岸田総理「暴挙であり強く非難」

北朝鮮は最近、ミサイルの発射を繰り返していて先月末から今回で5度目となります。

岸田総理

最近の度重なる弾道ミサイルの発射に続く暴挙であり強く非難する。

松野官房長官

このような弾道ミサイル発射は関連する安保理決議に違反するもの。

政府はNSC(国家安全保障会議)を開くなど情報収集と分析を急ぐとともに北朝鮮に対しては北京の大使館ルートを通じて厳重に抗議。最も強い表現で非難したと明らかにしました。

また林外務大臣もアメリカのブリンケン国務長官と電話で会談し連携を確認。

林外務大臣

わが国の安全保障にとって重大かつ差し迫った驚異。
国際社会全体に対する明白かつ深刻な脅威。

日米間3ヵ国でも政府高官による電話協議を実施するなど、国連安全保障理事会の場での協力を進める方針です。

核実験は?開発急ぐ背景

過去最長の弾道ミサイルの発射に踏み切った背景には何があるのでしょうか。専門家は…

笹川平和財団
小原凡司上席研究員

韓国やアメリカは今回の米韓合同軍事演習が「北朝鮮のミサイル発射に懸念を示し、けん制するものだ」と明確に述べている。
北朝鮮はこれに対して「そういったけん制や抑止は効果がない」と示すためにミサイルをうつ必要があると考えた可能性はある。

先週実施された米韓合同軍事演習と日米間共同訓練。北朝鮮に対する圧力に対し、反発を強めた可能性があります。

さらに…

笹川平和財団
小原凡司上席研究員

ロケットの性能向上を急速に図るということは、それに搭載する核弾頭の性能も完成させなければいけない。
その性能向上のためには核実験は欠かせない。

専門家は7度目の核実験を見据える北朝鮮が国連制裁の緩和に向けてアメリカと交渉を本格化させようとしているとみています。

笹川平和財団
小原凡司上席研究員

核兵器の開発を急いでいるのはアメリカとの対話を見据えているから。
アメリカとの対話を行うまでに自分たちの核兵器を完成させることが北朝鮮にとっては最も重要。
核兵器保有国であるというステータスでアメリカと対話する。それが北朝鮮の目的。

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