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[WBS]北朝鮮が2発発射!日本の反撃能力保有に反発か

2022年12月19日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

北朝鮮が12月18日に発射したミサイルは日本政府への反発だとの見方も出ています。

北朝鮮が2発発射
日本の反撃能力保有に反発か

朝鮮中央テレビ

わが国の国家宇宙開発局は18日、西海衛星発射場で偵察衛星の開発のため、最終段階の重要な実験を行った。

12月19日、北朝鮮メディアが公開した写真、炎を吹き上げるロケットが空に向かって飛び立つ様子が写されています。

北朝鮮は偵察衛星の開発実験だといいますが…

井野防衛副大臣

北朝鮮は本日11時台、2発の弾道ミサイルを発射しました。
変則軌道ではなく通常軌道、放物線を描くような軌道だったと確認。

防衛省によると12月18日午前、北朝鮮は朝鮮半島の東側の日本海に向け立て続けに2発の飛翔体を発射。いずれも高度550km程度に達し、東に500kmほど飛行した後、日本の排他的経済水域の外に落下したということです。

実は今回の発射は日本国内で起きたある出来事との関係を指摘する声があるのです。

岸田総理

現在のミサイル防衛システム、これはもちろん大事であり、より強化していかなければなりませんが、反撃能力ということについてもわれわれは考えていかなければいけないのではないか。
文書の中でそうした内容を盛り込むに至りました。

日本政府は12月16日に安全保障に関連する3つの文書を閣議決定。その中で弾道ミサイル攻撃に対処するため敵の発射基地などを攻撃する反撃能力を保有することを明記しました。

韓国メディアは日本のこうした動きに北朝鮮が反発したとの見方を伝えています。

一方、北朝鮮は偵察衛星による写真を公開。12月18日に発射したロケットはこの写真を撮影した偵察衛星を運んだものだと説明しています。

これを受けて日本政府は…

松野官房長官

きのうの発射が偵察衛星に関する何らかの試験であった可能性や今後も関連の試験等を進めていく可能性はあると考えています。

北朝鮮「偵察衛星」写真に疑い?
来年は一転「平和攻勢」に…!?

大江麻理子キャスター

日本政府はきのうの弾道ミサイルの発射について衛星を打ち上げるロケットの可能性もあると見ています。
韓国ではどう捉えられているのでしょうか?

ソウル支局
武部慎一記者

韓国軍はきのう発射されたのは弾道ミサイルだとする当初の判断を変えていません。

12月19日に記者会見で韓国軍は総合的に分析して準長距離ミサイルだとする当初の判断を維持すると発表しています。ただ具体的な理由については控えています。

今回、北朝鮮は発射場所とされる北西部の東倉里で今年2月と3月に行った弾道ミサイルの発射でも偵察衛星の発射実験だと主張していましたが、関係国は偵察衛星ではなく新型ICBMの開発に向けた性能試験だとの見解を示しています。

また韓国メディアでは今回公開された写真でも疑問視する報道が目立っています。上空から撮影した韓国のソウルと仁川と思われる写真について解像度などから軍事用の偵察衛星で撮影したと見るには粗悪な水準で真偽を判断するのは難しいとする専門家の評価などを伝えています。

また写真の真偽は別として写真を公開した理由については韓国を偵察する能力を保持するとともに、今回の発射が弾道ミサイルではなく偵察衛星であることを強調する狙いがあるなどと報じています。

大江麻理子キャスター

北朝鮮は今年50発以上もの弾道ミサイルを打ちました。これは来年も続くのでしょうか?

ソウル支局
武部慎一記者

北朝鮮が軍事偵察衛星の準備を来年4月までに終えるとしただけに軍事偵察衛星の打ち上げと称して弾道ミサイルの発射に乗り出す可能性もあるとの見方もありますが、ある専門家は北朝鮮のミサイル発射の数でいうと来年は大幅に減るだろうとみています。

東京国際大学
伊豆見元特命教授

おそらく減るだろう。2つの理由がある。
それなりに経費がかかっているはず。同じペースでやるにはコスト的にもしんどい。
2番めに技術力向上を考えても、ある程度の期間が空いて、その間に今回の発射実験から得られたデータをもとにさらに技術的向上を図って次のテストを行うはず。
毎年、発射実験を行うと技術向上にすべてプラスにはならない。
今年のような規模が来年も続く可能性は小さい。

またミサイル実験の代わりに北朝鮮が平和攻勢に出るのではという見方も示しました。

東京国際大学
伊豆見元特命教授

2022年に行ったことを2023年にはやらないというのも口実がいる。
おそらく平和攻勢をかける。具体的には韓国との間で軍事協定・軍事対話を行いたいと提案してくる可能性がある。
それを提案すると韓国側が受ける可能性も高い。

また北朝鮮をめぐっては12月下旬に重要政策を決定する党中央委員会の総会を行う予定で、核ミサイル開発などについても言及があるかが注目されます。

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