大浜見聞録です。今回はアイリスオーヤマを取り上げます。
自由な経営を掲げてあえて株式上場せずにコロナ禍で業績を急拡大させていますが、スピード重視で事業を様々な分野に広げているその独特の成長戦略を大山晃弘社長ぶ聞きました。
アイリスオーヤマ株式会社
[blogcard url="https://www.irisohyama.co.jp/"]
アイリスオーヤマの本拠地は宮城県の南部、角田市にあります。
「2020年の業績は?」
業績は非常に良くて昨年に比べれば約30パーセントほど売り上げも成長している。
やはりマスクを中心とした感染予防商品が力強く伸びた。
それ以外は住宅関連の巣ごもり商品。
リモート関連の商品がよく伸びた。
コロナ禍でも業績を伸ばすアイリスオーヤマ。ピンチをチャンスに変える強さはどこにあるのでしょうか。
こちらアイリスオーヤマのショールームですが、とにかくアイテム数が多いです。
2万アイテム以上あるといいますが元々有名なのがプラスチック製品の収納棚が有名でした。
最近は当たり前になっているLED照明。
食品類、お米はいろんな種類を取り揃えています。
総合家電メーカーを目指しているということで白物家電があったり、調理家電も色々あります。種類と数に圧倒されます。
時短で調理ができる電気圧力鍋。
今年は去年の倍以上売り上げました。
さらに室内の空気を循環させるサーキュレーターシリーズは去年に比べて4倍以上の売り上げに。
そしてこちらは先月発売されたばかりのサイクロンスティッククリーナー。
内部の空気を排出するフィルター部分にアイリスオーヤマの別の商品の技術が応用されています。取り外してみると…
アイリスオーヤマの広報室、鈴木幸江さん、
マスクの不織布をフィルターに使っている商品。
ウイルスをキャッチできるくらいのフィルターなのでゴミを捨てるときに舞ってしまうちりを最初からキャッチする。
ケアが楽というのがある。
1年間に販売する新商品はおよそ1,000点。今年はマスクの国内生産にも踏み切りました。
今年が今年の7月から稼働したマスク工場ですが1ヶ月に1億5,000万枚の生産能力があるそうです。かなり自動化も進んでいるようです。
マスクは元々中国の工場で生産していましたが30億円を投資して宮城県の角田工場に生産設備を整えました。
社内での決定から実際の販売に至るまでおよそ3ヶ月間という異例の速さでした。
「これだけ柔軟に早く対応できるというのは今までの歴史も当然あると思うが要因としては何が大きいと自己分析していますか?」
一番は東日本大震災の経験。
あの時に一気に市場がガラッと変わった。
防災用品や生活資材や復旧用品、そういったものの需要が増えた。
その時に対応するために全社で中国から一気に物を持ってきたり、全国の倉庫から商品を東北に集めたり、そういったことをした経験が今回また生きたのではと思う。
震災の直後、電力不足で急速に高まった節電需要。
この時はLED照明の増産に乗り出し家電事業本格参入への足掛かりにしました。
実はアイリスの各工場では普段の稼働率が70%程度に抑えられ、一定の空きスペースが確保されています。これによって急な設備の導入にも対応ができるのです。
「上場していないというのは成長への要素としてあるのか?」
やはり上場していないから自由に経営ができると思うし、「余裕を持つ」「無駄を持つ」というのは世の中の常識から少し外れている経営スタイル。
オーナー企業であるというのは大きな影響があったと思います。
「中長期を含めて数字的な目標は?」
2022年までにグループ売り上げ1兆円を目指している。
ことし着地で7,000億円。
「2年で3,000億円。手ごたえは?」
なんとかいけると思います。
来年はしっかり家電が伸びると思っている。