テレワークの急拡大でスーツ離れが加速しています。紳士服を手掛ける各社は厳しい状況にありますが、そうした中、なんとか新しい生活様式に対応していくために今までとは違う概念でスーツを生み出す動きが始まっています。
株式会社AOKIホールディングス
[blogcard url="https://www.aoki-style.com/"]
神奈川県横浜市。全国に512店舗を展開する紳士服大手「AOKI」の総本店です。
今は春の新社会人向け商戦真っ只中。若者向けのスタイリッシュなスーツやレディーススーツを数多く展開していますが、いま業界で注目を集めているのは…
AOKIの飽田翔太さん、
パジャマスーツ。
去年11月に発売した、その名も「パジャマスーツ」。上下でおよそ1万1,000円。
アメリカやシンガポールなど海外からの注文も入るといいます。
テレワークはもちろん、ビジネス、外出、仮眠など幅広い着用シーンで使えるスーツ。
ストレッチ性の高い素材を使用することで着心地と動きやすさを追求しています。
AOKIではこのコロナ禍でスーツの販売数がおよそ2割減少。
新しい生活様式に合わせた商品開発を進め、お客様を店に呼び戻そうとしているのです。
もう一つ、最近話題を呼んでいる新商品が…
今月1日から販売をしているのがこのアクティブワークスーツ。
価格はなんと上下合わせて4,800円です。
普段あまりスーツを着ないお客様にもっと身近にスーツを着る喜びを、楽しみを感じてもらいたい。
あえてスーツを着ない人を狙った新ジャンルのスーツ。
ビジネスでの利用を考えたデザインとカジュアル感覚の動きやすさが特徴だといいます。
裏地のパーツを減らすなどで価格を抑えました。
今はネット販売のみですが店頭販売も予定しています。
コロナ禍で様変わりした働き方。そこに対応し、スーツの新たなニーズを掘り起こすことで生き残ろうとしています。
AOKIホールディングスの青木彰宏社長、
従来のスーツの市場は縮小していく。
ただ強みを生かした"カジュアル"、そのカテゴリーを作れるのではないか。
スーツの技術をそこに転用してビジネスチャンスにしたい。
スーツの新しい形を模索する業界大手、しかし今、逆の動きも…
ここは老舗生地問屋のタンゴヤが2009年に創業したオーダースーツの専門店「GINZAグローバルスタイル・コンフォート表参道店」。
ここ表参道店は去年9月にオープンしたばかりです。
このコロナ渦でも去年10月には過去最高となる10億円近くを受注。既存店ベースではこの逆風化で1年前より7%の増加。
中心となる客層は20~30代の若い世代です。
タンゴヤのGSカンパニー事業本部長、佛圓悠馬さん、
若い人が帰ってきているというよりは既製品と値段的に変わらないので、オーダーメイドで自分のサイズに合ったものを買おうと。
1着、大事に使えるものを着ようと。
店内には問屋ならではのおよそ5,000種類もの生地が。
2着同時購入すると1着あたり2万4,000円からオーダースーツを仕立てることができます。
全国に23店舗、今後は年3店舗のペースで出店する計画です。
ファッション感度の高い人だけを狙っているわけではない。
わざわざ来て良かったと思えるこ所で買いたいと考える人がたくさんいる。
まだオーダースーツの売り上げは伸ばしていける。