このコロナ禍で過去最高益を叩き出した企業があります。
シリーズ「トップの決断」。
ニトリホールディングス、似鳥会長が語った葛藤と決断とは?
株式会社ニトリホールディングス
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緊急事態宣言下でも営業を続けたニトリ。
多くの小売業が苦戦する中、予想だにしなかった過去最高益を叩き出したのです。
コロナ禍での意外な家具需要。売れたものとは…
それまであった業界の常識を変えたニトリ。そこには街の家具店を大企業に育てあげたトップの決断がありました。
ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長、
どんなことをしても店はお客様のために開ける。
店はお客様のためにあるという使命感。
書き込みとかSNSとか1万人、2万人と抗議がきた。
従業員の親からも電話や手紙で「店を閉めてほしい」と。
新型コロナの感染リスクからお客様からも厳しい声が届いたといいます。
それでも…
2,000万人くらいが毎日来た。買うお客様は800~900万人。
それだけのお客様が今困っている。その方が大事だと思った。
その状況下で売れたのがテレワーク用のパソコンデスクやイスでした。
さらに家庭の巣ごもり消費を取り込み、ニトリの3月から5月の純利益は1年前と比べ25%以上増え過去最高を更新しました。
そこには、
予想外をいろんな危機管理でシミュレーションして、その場合こうするということを決めている。
リーマンショックなどいろいろあったが逆にきっかけに伸びている。
危機こそ最大のチャンス。
1967年、札幌市内の小さな家具店から始まったニトリ。
2000年代からのデフレ時代、安さだけでなく時々のニーズを捉え急成長しました。現在は日本全国で553店舗を展開。
そして、早くから目を付けたのが海外での生産拠点。中国です。
中国での工場を主力に商品の9割を海外で生産。
2014年、中国・武漢での初出店を皮切りに成長を遂げる中国国内での出店を加速。現在34店舗を展開しています。
しかし新型コロナで思わぬ事態が襲いました。
新型コロナで中国は生産が止まった。3月、4月商品が間に合わないと思った。
しかし中国以外にベトナム工場、タイ工場がある。
ベトナムなら10万坪の工場、8,000人の社員がいる。
「他社に比べて他に国に移すのが早かった?」
早かった。
10年前からこつこつ一遍にはできない。
カギとなったのは東南アジア。ニトリはチャイナリスクを見越して生産拠点を分散していたのです。
こちらはニトリのベトナム工場。
フル回転で生産を続けることで商品を切らさず安定供給につなげました。
そして今回の教訓から次の決断。
もっと分散したい。タイやインドネシア、インドとかバングラディシュもやっている。
分散している途中。
中国は7割あったが、ようやく6割にした。5割にしたい。
「今後の日本経済は?」
世界中が「低成長時代」に入っていく。
世界経済成長率3~4%台がおそらく1%台に。
2~3年後にやってくる。
低成長時代という厳しい見立てですが経済回復の道はあるのか?
危機を乗り越えるには?
ベーシックなことだが品質のいいものを機能性のいいものを新しい今の世の中にないものを作り出して買いやすい価格で提供する。
組み合わせができる。言葉では簡単だが一番難しい。
それしかない。創業からずっと続けてきた。
来年不況になろうが、なにしようが乗り切るにはそれしかない。