新コーナー「ケーザイのナゼ?」。経済に関するさまざまなナゼを納得いくまで追跡します。
1回目のナゼは電子レンジが発火するなどの調理家電の事故についてです。
去年1年間に発生した調理家電の火災事故の件数は前の年と比べて14%増えています。
なぜ今、調理家電の事故が増えているのか疑問を直撃リサーチしました。
独立行政法人製品評価技術基盤機構
[blogcard url="https://www.nite.go.jp/"]
爆発、そして炎上することもある家電の事故。
これは生卵を電子レンジで加熱した結果、爆発してしまった映像です。
SNS上ではこんな書き込みも…
レンジで芋温めすぎて発火。
電子レンジの「解凍パン」ってメニューおしたら「おかゆ」ってボタンを押していたらしくパンが発火した。
実は今、こうした調理家電の事故が急増しているのです。一体なぜなのでしょうか。
家電事故の調査を行っている製品評価技術基盤機構(NITE)を訪ねました。
なぜ事故が増えているのか直撃リサーチです。
製品評価技術基盤機構(NITE)の向井祐太さん。
コロナ禍で"おうち時間"が増え、家で料理する人が増えた。
調理家電が使用される機会が増え、事故も合わせて増加。
ではナゼ使う機会が増えると事故が増えるのか?
まず家電量販店「ビックカメラ新宿西口店」でどんな商品が売れているのか聞いてみました。
ビックカメラ新宿西口店の和氣正貴さん。
家庭で簡単に使える電子レンジが特に人気。
ボタンひとつで家庭でプロの味が楽しめる。
電子レンジやオーブントースターは去年、巣ごもり需要を追い風に大きく販売台数を伸ばしています。
例えばビックカメラの和氣さんの一押しが「パナソニック スチームオーブンレンジ『ビストロ』」。
材料を耐熱ボールに入れてセットするだけで様々なメニューが出来上がるオート料理機能が充実した商品が人気です。
しかし、冷凍食品などをよく見ると「オート(自動)不可」と書いてある商品が多くあります。
一体ナゼなのでしょうか?
冷凍食品などでオート調理する場合、電子レンジでセンサーが温度を確認できない場合がある。
そののような状態で温めを続けてしまうと一部だけが長時間、極度に加熱され、発火などにつながる。
極度の加熱とはどういうことなのでしょうか。
実験室の中心に置かれた電子レンジ。
この肉まんをあえて必要以上に温めてみます。
安全のため部屋の外から観察すると5分ほどで煙が出てきました。
そして、温め始めてからおよそ8分後。
大きな炎を上げて爆発しました。
中の肉まんは真っ黒に…
中の水分が蒸発しきって済のような状態。
電子レンジで加熱を続けると水分が蒸発して炭化します。
さらに加熱を続けるとスパークと呼ばれる火花が発生し、肉まんから出た可燃性ガスに引火して爆発するのです。
万が一、中で発火してしまった場合、コードを抜き、離れて様子を見る。
さらにもうひとつ発火事故が増えている原因が、それは掃除をしないまま使う人が多いこと。
ナゼ掃除をしないと事故につながるのか?
実は油汚れや食品のカスから発火するケースがあるのです。
こうした中、こんな機能が付いた商品が注目を集めています。
庫内の清掃を自動で行う機能も。メーカーも対策に取り組んでいる。
最近の製品は洗浄機能が付いていたり、庫内が平らになっていたりと手入れがしやすくなっています。掃除が苦手ない人は使ってみてもいいかもしれません。
食品を加熱しすぎない。庫内をこまめに掃除する。
取扱説明書をよく確認することを徹底していただきたい。