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[WBS]内田社長に聞く!日産新型EV投入…反転攻勢へ[日産自動車株式会社]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

5月12日にトヨタが初の量産EV(電気自動車)「bZ4X」の販売を始めました。またスバルは2,500億円を投じて国内にEV専用工場を新設するなど生産能力を引き上げると発表しました。そして世界に先駆けてEVを市場に投入した日産自動車もリーフに続く2車種目となるEV「ARIYA」を5月12日に発売しました。アメリカのテスラを筆頭に世界で競争が激化するEV市場でどう巻き返すのか、日産の戦略を内田誠社長に単独インタビューしました。

日産が巻き返しへ!新型EV投入で勝負

5月12日に発売された日産の新型EV「アリア」。

角谷暁子キャスター

足元がだいぶ広々していますね。

日産自動車 日本マーケティング本部
織田康宏さん

バッテリーが床に真っすぐ敷いてあり広く使える。
まるでラウンジのような空間になっている。

SUVタイプのアリアは日産にとってリーフに次ぐ2車種目のEV。欧米や中国でも販売される世界戦略車です。

お客さんの反応は…

非常に高級車的なイメージがあるのでアリアは興味がある。


全然違う。もうガソリン車には戻れない。

補助金を利用すると東京都では394万円で購入が可能。すでに国内で6,800台の受注があり好調な滑り出しだといいます。

日産自動車
内田誠社長

リーフから11年培ってきたわれわれの電気自動車のノウハウを全部詰め込んだ車。
日産が強いスポーツカーの四駆の技術、こういったものを搭載しながら電気自動車ながらに乗るとワクワクする車。
これをお客様に提供していきたい。

反転攻勢の狼煙を上げる日産。5月12日に発表した今年3月までの1年間の決算で増収増益を達成。3年ぶりに黒字化を果たしました。

日産自動車
内田誠社長

今年度は非常に正念場の年になる。
経営環境が厳しく、材料の高騰しかり、コロナの影響も中国の状況もある。
注視しながら日産としての価値をお客様にこれからも提供していきたい。

さらに来月には新車市場のおよそ4割を占める軽自動車でEVを投入する予定。ラインナップを拡充し、EV市場で巻き返しを図ります。

新型車続々…競争激化のEV!トヨタは"サブスク"で勝負

2010年、世界に先駆けEV「リーフ」を発売した日産。

しかし、去年の世界販売台数は1位がアメリカのテスラ、2位と3位は中国勢となっていて日産はトップ10にも入っていない状況です。

さらにここに来て日本メーカーも相次ぎ新型EVを投入するなど競争は一層激化しています。

トヨタが5月12日に販売を始めた「bZ4X」、試乗会を訪ねると…

パワースイッチを押してください。

実はこのbZ4X、売り方に大きな特徴があります。個人は月額で支払うサブスクリプションでのみ利用が可能。申込金が77万円必要ですが、エコカー補助金を利用した場合は4年目まで月の利用料はおよそ9万円です。

試乗を終えた男性は早速…

申し込み手続きをした。
何事もなければ買い取りのほうがコスパは良さそうだったが、サポート体制を期待してサブスクに。

初のEVでサブスクを活用する理由はどこにあるのでしょうか。

トヨタ車のサブスクサービス「キント」
小寺信也社長

バッテリーの劣化や故障などさまざまなリスクはわれわれで担うので電気自動車を楽しんでもらう。

バッテリー戦略がカギ!「全固体電池」開発へ

EVのバッテリーは使用するほど劣化していきます。その劣化具合が簡単に判断できないことから中古車の下取り価格が低くなるのではとの懸念の声も。

こうした課題に日産は先駆者ならではの自信を示します。

日産自動車
内田誠社長

バッテリーの寿命や特性、基礎研究を含め内製でやってきた。これが日産の技術。
ずっと力を入れている。リユース含め、バッテリーの二次利用も進めている。

10年以上にわたり世界でおよそ60万台のリーフを販売してきた強みを生かせるといいます。

日産は小会社で高性能が求められる車用としては役目を終えたバッテリーを回収し、性能をチェックした再利用をする取り組みを進めています。

店舗などのバックアップ電源のほか、今年度からは鉄道の踏切の非常用電源や家庭用のポータブル電源としての商品化も見込んでいます。

さらに今後、重要な戦略と位置づけているのが走行距離を飛躍的に伸ばすことができる全固体電池の開発です。2028年度までに量産化し、新開発した電池を積んだモデルの発売を目指しています。

日産自動車
内田誠社長

研究を重ねてきたその証を世界の皆さまに示していきたい。
今まだ実現化には課題が大きいバッテリーになるが、ここは力を入れて進めているのは今のわれわれの状況。

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