日産も参加するジュネーブ・モーターショーが3月5日に開幕し、各社の新型車両が次々と発表されています。
日産・ルノー・三菱の3社連合も揃って新型車両を発表し、そのラインナップからは3社のスタンスが見え隠れしてようです。
スイス・ジュネーブの会場には豊島晋作記者が行っています。
日産自動車株式会社
[blogcard url="https://www.nissan.co.jp/"]
私はいま3社連合の一角の日産自動車の展示ブースに来ています。日産自動車は今日、スポーティーなデザインのSUVタイプのコンセプトカー「IMQ」を発表しました。車輪が大きい割に屋根が低くて力強さとスピード同時に感じるデザインです、
日産の展示ブースは世界販売累計No.1という日産が誇る電気自動車リーフを展示しています。
日産ブースの隣は最近、日産との関係がギクシャクしている連合パートナーのルノーです。ルノーも今日、稼ぎ頭クリオの新型モデルを発表しています。
会場では三菱自動車も新型のコンセプトカーを発表して、3社連合それぞれが揃い踏みで新型発表となりました。ただ、会場で見えてきたのは3社の間で見える微妙な温度差でした。
日産自動車のルー・ドゥ・ブリース常務執行役員、
これが「IMQ」、日産の技術が実現する未来のSUVの姿です。
日産のSUVのコンセプトカー「IMQ」。
ガソリンエンジンで発電し、モーターを回して走行する日産独自の電動化技術「e-POWER」を搭載しました。
e-POWERは燃費性能が高く、バッテリー切れの心配がないことも評価され、日本でこのシステムを搭載した「ノート」は去年、登録者販売台数で1位に輝きました。
日産はこの自慢の技術をヨーロッパに持ち込み、大幅な販売拡大につなげる計画を発表しました。
e-POWER搭載車を2年以内にヨーロッパに投入し、3年で電気自動車の販売を倍にする。
ルノー・ジャポン株式会社
[blogcard url="https://www.renault.jp/"]
日産が独自技術を全面に出す一方、ルノーは…
ルノーのボレオCEO、
まったく新しいクリオの登場です。
ルノーの戦略の一部。3社の「アライアンス2022」計画の一環です。
経営トップが3社連合の成果として発表したルノーのニュークリオ。
日本ではルーテシアとして知られ、これまでに世界では1,500万台以上が売れているルノーの稼ぎ頭です。
今回、シリーズ初のハイブリッド車両として環境規制に対応。また、車台には日産などとの提携で開発した共通プラットフォームを初めて採用しました。
連合のプラットフォームを使った3社の結晶。
将来は日産車にも使われるだろう。
ルノーが3社連合のシナジーをアピールする一方で、日産は独自の技術を強調するという展開で両社の温度差も垣間見えます。
特にルノーの担当者がプラットフォームを日産の車両にも使うという点も、日産としてはプラットフォームの共有化は基本的に進めるとしつつも特定のプラットフォームの導入の是非について現時点でコメントはできないとの立場です。
また日産はe-POWERの技術について日産車に投入する方針は示していますが、ルノーの車に搭載されるかは現時点で明確にはできないというスタンスです。
三菱自動車工業株式会社
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ここに来て存在感を出してきたのが3社連合の一角の三菱自動車です。三菱もSUVコンセプトカー「エンゲルベルクツアラー」を発表しています。
益子社長は先月、ルノーのスナール会長に三菱商事、三菱重工、三菱UFJ銀行などグループ御三家の首脳陣と引き合わせています。これは自分たちの背後に巨大グループがいることを示し、ルノー側を牽制する狙いもあったと見られます。関係者によるとグループとしてルノーへの出資も浮上しているということです。
ルノーに主導権を握らせたくない日本政府などの思惑も関係している可能性もあります。