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[WBS]世界最大の自由貿易圏!発行目前!日本経済に追い風は…[株式会社にし阿波ビーフ]

2021年12月23日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

来年1月1日、世界最大規模の経済連携協定「RCEP」が発効します。

参加するのは日本を含めた15ヵ国で、日本にとっては中国、韓国との間で締結される初めての経済連携協定です。

域内の人口を見てみるとおよそ22億人。そしてGDPの合計は2,900兆円と世界経済のおよそ3割を占める規模になります。

この巨大な経済圏が動き始めることで日本経済にはどのような追い風が吹くのでしょうか。

RCEP発効へ 日本に恩恵

韓国焼酎 16%の関税撤廃へ

東京・新大久保の韓国料理店。

満員の店内でお客様が飲んでいるのは韓国の焼酎。

お客様は…

やわらかい味。

韓国ドラマで出演者が飲んでいたり、甘みのあるフルーツ焼酎などが増えたことでいま若い人を中心に人気を集めています。

こちらの焼酎は店では1本1,000円ほどですが、来年以降価格が下がるかもしれません。

韓国から輸入される焼酎には16%の関税が掛かっていますが、来年以降段階的に引き下げられ、21年目には完全に撤廃されるのです。

いいことじゃないですか。

毎日飲んでいるから値段が安くなるとうれしい。

韓国料理に欠かせないマッコリの関税も段階的に引き下げられます。

店も期待を寄せます。

ジャンチュンドンの志手幸子店長。

うれしい。

店がコロナで営業できないこともあったので、酒だけでも関税を段階的に引き下げてくれるのであれば、そこをうまく活用しながら集客に結びつけたい。

日本の牛肉「ハラール認証」で攻勢

さらに、徳島県にある牛肉加工業のにし阿波ビーフ。

にし阿波ビーフ 生産管理部、谷藤隼斗さん。

ここがカットの工場。

インドネシアやマレーシアなど国ごとにオーダーが違う。

イスラム教徒が多いインドネシアなどへの輸出に強みを持っています。RCEPの批准に向けたインドネシアの手続きが完了すれば牛肉にかかる関税も撤廃され輸出に弾みがつきます。

年間100トン以上の牛肉を輸出するにし阿波ビーフ。出荷する商品にはすべてこの青いシールが…

そこには「ハラール屠畜」とあります。

インドネシア・マレーシアはハラールが必須。ハラールじゃないと輸出できない。

ハラール屠畜とはイスラム法のもとで合法と認められたことを示します。

食肉加工の際、一定のルールが求められ、遵守しているかどうかを認定機関が判断。特に肉牛の命を絶つ際には厳しいルールが。

イスラム教の聖地、メッカの方向に向くようにしている。

牛の体の向きをメッカの方向に合わせたり、命を絶つ際には祈りの言葉を唱えながらナイフを入れる必要があり、この作業はイスラム教徒が行わなければいけません。

そのためこの工場ではイスラム教徒のインドネシア人、8人が働いています。

僕らとしてはインドネシア人従業員がいないとビジネスが成り立たない。

テリマカシ(ありがとう)。

細かなルールにひとつひとつ対応しなければいけないイスラム教国への輸出。しかし、市場にはそれだけの魅力があるといいます。

人口が3億人に迫るインドネシア市場では和牛需要が高まっていて、2020年の輸出量は前年のおよそ7倍に増加。RCEPによるビジネスチャンスの到来に期待を寄せています。

現状は富裕層しか食べてもらえていないのが現状。

RCEPでその一個下の中間層にウデやモモなど和牛を食べてもらえる機会。

もっとビジネスが広がる。ウキウキする。

韓国で日本のゴルフ用品大人気

輸出の拡大が期待されるのは農産品だけではありません。

お隣、韓国では意外な日本ブランドの製品が人気に。

ソウル支局の横堀拓也記者。

こちらはソフルのゴルフ用品店です。こうして販売されているゴルフクラブの多くは日本製で人気が高いといいます。

なかでも人気が…

ゴルフ用品店の李昌燮さん。

特に人気のブランドは「ゼクシオ」。軽くて打ちやすく初心者に好まれている。

一番人気のゼクシオはダンロップが展開するゴルフブランド。

さらに上級者向けの高級ブランドとして知られる本間ゴルフのほか、ヤマハやミズノといったメーカーの製品も売れ筋だといいます。

現在、日本製ゴルフクラブには8%の関税が掛かっていますが、段階的に引き下げられ15年後には撤廃されます。

韓国など各国に商品を供給する日本メーカーは…

ダンロップ(住友ゴム工業)。

段階的な関税撤廃ということもあり「一気に功を奏して」ということはないだろうが効果は出てくると期待している。

実はいま韓国では野外で密を避けることができるゴルフの人気が高まっています。

ゴルフ関連商品の売り上げも好調で今年10月までの輸入額は去年1年間の総額を超え過去最高を記録。輸入先は日本からが最も多く、ゴルフクラブでは64%を占めています。

また工業製品では日本から中国に輸出する自動車の部品も関税撤廃の対象となります。

EV(電気自動車)の主要部品を扱う国内のバッテリーメーカーも世界で急速に進むEV化とともに関税撤廃が追い風になると見ています。

プライム プラネット エナジー&ソリューションズ。

車載用電池のグローバルな生産供給、サプライチェーンの拡大発展に向けて意義深い。

動きを踏まえながら車載用電池の競争力強化を加速する。

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