ビジネス関連 ワールドビジネスサテライト

[WBS]日本企業にも影響が…!上海ロックダウン1ヵ月[NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

中国の上海ではロックダウン(都市封鎖)が始まってから1ヵ月になります。終りが見えない中、上海市民だけではなく日本の企業にも影響が出始めています。

上海ロックダウン1ヵ月!

終りが見えない厳しさ

ロックダウンから31日目を迎えた4月27日の上海市内。

菅野陽平記者

私の自宅も2週間感染者が出ていないということで外出可能になっています。
近くの繁華街まで出てきましたがほとんど人はいません。

道路を走る車もありますが、地区をまたいだ外出は原則禁止のため検問で厳しくチェックされます。

店はほとんど閉まったまま。

商品が並んでいる店もありますが…

番組スタッフ

いま買い物できますか?

店員

できないよ。

ネットスーパーもいまだ多くが再開しておらず、食料の調達は政府による配給や住民同士による共同購入に頼っています。

日系の証券会社に務める酒井昭治さん。ロックダウンが始まる前に住んでいる団地で感染者が出たこともあってすでに5週間も家から出ていないといいます。

本来、2週間同じエリアで感染者が出なければ外出が許可されるはずですが…

上海に住む
酒井昭治さん

先週に3人。昨日の発表でも感染者が発生した。
終りが見えないという所は精神的に厳しい。

新たな感染者が出るたびに封鎖が延長されているのです。

外部との接触がほぼないのにもかかわらずオミクロン株で感染者が続出しているのです。

一体どこから感染が広がっているのかが分からず戸惑いが隠せません。

上海に住む
酒井昭治さん

配給の食料は自分で1階に取りに行って部屋に持ってくるが、自分の部屋の玄関で入念に除菌シートで拭くとかスプレーをして。
できることは全部やるという状況。

トラック運賃は最大5倍

ロックダウンの長期化は日本との物流にも大きな影響を及ぼしています。

コンテナ取扱量で世界一を誇る上海港で物流を担う日系の最大手NXニッポンエクスプレスの担当者は…

NXグループ
直野徹さん

上海からの輸出は前年度比25%くらい。だから取り扱いも減ってきている。
かなりの原因はトラックが確保できないこと。

NXでは作業員が泊まり込むなどして体制を維持していますが、トラックが確保できないことから工場などから港までの輸送が難しくなっているといいます。

NXグループ
直野徹さん

トラックがその市境のところで7日間、場合によっては14日間、ドライバーが隔離されてしまうことがあり、ほぼ上海市内と市外を結ぶトラックの動線はクローズ(閉鎖)されたに等しい。
トラック運賃は2倍から最大5倍になった。

NXでは上海を避けて中国国内の別の港と日本を結ぶ臨時の物流ルートの確保を進めています。

しかし、周辺地域でもコロナの感染が拡大していて、思うように進んでいないため今後日本への影響もあるといいます。

NXグループ
直野徹さん

お客様がかなり焦り始めている。
消費地や工場の在庫が底をついてきている。

上海には菅野陽平記者がいます。

佐々木明子キャスター

長引くロックダウンで市民の生活も混乱していますし、影響がかなり大きくなっているようですね。

菅野陽平記者

先週、中国のSNSである1本の動画が拡散しました。

中国のSNS「四月の声」より

現在の状況を言うと病室が足りていない。
隔離施設にも空き部屋が無い。救急車も無い。

「四月の声」という動画ですが、ドローンで撮影した上海の街並みを背景に困窮を訴える市民の声や政府関係者の声でロックダウンを巡る混乱を描写しています。

当局によって削除されましたが、消されても投稿が繰り返され轟く間に拡散されました。市民に蓄積する不満の表れだとみられます。

一方で感染者は減っているものの先週から死亡者も増えていてゼロコロナ政策の修正を訴える声も出てきています。

世界最大級のオンライン旅行会社「Trip.com」の創業者、梁建章氏は無症状感染者、軽症者は施設による隔離ではなく自宅療養とし、重症者の治療に重点を置くべき。海外で一般的なmRNAワクチンを一部導入するべきなど経済の長期的な停滞を避けるための策を提案しています。

佐々木明子キャスター

経済への影響も大きくなりましたか?

菅野陽平記者

ロックダウンが始まった3月28日、上海の3月の小売売上高は1年前と比べて18.9%のマイナスとなりました。
金融関係者は衝撃的な数字と受け止められています。
4月はさらに厳しい数字になることは確実な情勢です。

こうした中、政府は交通やエネルギーといったインフラ投資の強化を打ち出したほか、農村部での自動車や家電の購入を促す消費刺激策も指示しています。

一方、首都北京でも感染者が発生して、市民の間ではロックダウンへの懸念が強まっています。

来週は中国の労働節の連休を控えています。

上海でどう収束させていくのか、そして北京での感染拡大を防ぐことができるのか正念場を迎えています。

-ビジネス関連, ワールドビジネスサテライト
-,