スマートフォンにパソコン、これらの基盤に必ず使われているのが電気の通り道となるこの銅色の部分。
それがこちらの銅箔と呼ばれるものです。セロハンのように薄いです。
この銅箔の生産で高いシェアを持つ日本電解が6月25日に東証マザーズに上場しました。日本電解が持つ技術には世界が注目していますが、一体どのようなものなのか取材しました。
日本電解株式会社
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6月25日、上場セレモニーで笑顔を見せた日本電解の中島英雄社長。
終値は1,967円と公開価格を上回りました。
時間との戦いなので、今この機をきっちりとチャンスとして事業拡大につなげたいので上場した。
日本電解が得意としているのがEV(電気自動車)に搭載するリチウムイオン電池用の銅箔の製造です。
国内で56%、北米で40%のシェアを占めています。
電気自動車の普及を追い風にこの5年で売り上げは2倍以上に。
好調な業績を支えているのが他社には真似できない技術です。
一体どんな技術なのか…
こちらが製造現場です。
こちらが銅箔の製造装置です。
銅を溶け込ませた液体を電気分解。回転ドラムが巻き取っているのは極めて薄い紙状となった銅。これが銅箔です。
薄さは8マイクロメートル。髪の毛の10分の1以下。
これを使えば電池を小さく軽くすることができ、電気自動車の航続距離を伸ばすことができます。
さらに…
日本電解の遠藤安浩取締役、
引っ張っても簡単に破れないのが大きな特徴。
薄いだけでなく丈夫、これが日本電解の強みです。
特殊な機械で銅箔がどれくらい伸びるかを測ると、
21%伸びています。通常だと5~10%くらい。
当社の銅箔は倍以上伸びが出る。
電池は充電などの際に膨張と収縮を繰り返します。
より伸びるこの銅箔は破れるリスクが低いため長く使うことができるといいます。
日本電解は今回の上場で得た資金をアメリカ工場の増強に充て、生産を拡大する考えです。
トップシェアを維持することが上場の大きな目的のひとつ。
収益性の高い領域を刈り取っていきたい。