料理のだしとしてお馴染みのかつお節に新た使い道を加えて大ヒットした商品です。
常識を打ち破った斬新なアイデアとは?
にんべんフレッシュパック
1969年、アポロ11号が人類初の月面着陸に成功。
この年に日本である画期的な新商品が誕生します。
それがにんべんの「フレッシュパック」。
削る手間をなくした小分けパックのかつお節。
冷奴とかは小分けがラク。
お弁当のご飯とか、おにぎりの具に。
発売から48年、元祖「食べるかつお節」の誕生の秘密に迫る。
株式会社山七
[blogcard url="http://yama7.jp/"]
静岡県焼津市、ここでフレッシュパックが作られています。
にんべんのかつお節を製造する山七の鈴木隆社長、
かつお節の原料となるカツオを生切り処理している。
まず焼津漁港に水揚げされたカツオを熱湯で煮ます。
そして2週間ほどかけて何度も燻します。こうして水分を徐々に抜いていきます。
作り始めから4ヶ月、カチカチになったカツオは最初の6分の1ほどの重さになります。
これがカツオのうま味が凝縮された最適な状態だといいます。
株式会社にんべん
[blogcard url="https://www.ninben.co.jp/"]
にんべん大井川事業所は削ったかつお節を袋詰する工場。
増田明久所長、
かつお節パックに窒素ガスを99.5%以上入れて酸素を追い出す。
こうすることでかつお節の酸化を防ぎ、削りたての風味を保つようにしているといいます。
転機
創業318年の歴史を誇るにんべん。
転機が訪れたのは1960年代。
当時かつお節は家庭で削るもの。主に料理のだしとして使われていました。
そうした中、ある社員が、
だしをとるだけでなく「食べるかつお節」を作ってみては?
細かく砕いた食べやすいかつお節を考えました。
ところが…。
研究開発部の荻野目望さん(65歳)は、
「なんだこれ、木くずみたい」といわれた。
お客様が求めるのはだしのとりやすい平たくボリューム感のあるもの。
当時の常識からいえば逆の商品。「こんなもの!」と消費者からいわれる危惧はあった。
しかし一部の社員はかつお節とご飯の相性にヒットの可能性を見出していたという。
そうした中、削りたての風味を封じ込める独自のパックが完成。商品化を後押ししました。
1969年、こうして業界初の小袋入り削り節「フレッシュパック」が誕生しました。
当初はその食べ方に戸惑う人もいましたが発売の翌年には3億円を売り上げ、一気に全国へと普及しました。
フレッシュパックを様々な料理に使ってもらおうとにんべんではレシピの開発を進めています。
料理研究家の大井純子さんと考案したのはフレッシュパックを衣に使ったメンチカツやパスタなど編み出したレシピは現在300種類を超えるといます。
使いやすさも魅力。振りかけるだけではなく混ぜ込んだりできる。
フレッシュパックに見るロングセラーの極意とは?
ロングセラーの極意とは?
食生活の変化に合わせ料理方法を提案していく。