マーケットや経済の旬の話題をお届けする朝活タイム「ふちこの突撃マーケット」です。

今回のテーマは「掉尾の一振とは?」です。

株式相場にまつわる格言ですが、ほかにも1年を通していろいろと言葉があります。
2月・3月 | 「節分天井 彼岸底」 |
5月 | 株は5月に売れ |
10月 | ハロウィーンに株を買え |
12月 | 掉尾の一振 |

「掉尾の一振」は年末の格言ですが、この掉尾の一振とはどんな格言なのか取材してきました。
"掉尾の一振"とは?
まず話を聞いたのは株式市場を30年以上取材し、相場格言にも詳しい日本経済新聞の鈴木亮編集長。


「"掉尾の一振"はどういう意味?」

年末は株高になることが多い。

"掉尾の一振"は魚の尻尾が跳ね上がるように"12月の相場が跳ね上がる"という相場格言。

この掉尾とは魚が勢いよく尻尾を振るという意味です。イメージするとこんな感じでしょうか?

魚が尻尾を振る様子と年末の急上昇の形が似ています。
掉尾の一振は1年の最後に株価が上昇するという意味を持つ相場格言だったのです。

今年で言えば12月30日、大納会に向けて相場が上がる。

ここは大納会の会場。

1年間の取引の最終日に行われる大納会。
しかし、年末に向けて株価が上昇するという減少はなぜ起きるのでしょうか?

企業が10月後半から11月の中間決算で通期予想を上方修正することが多い。

反映されるのがだいたい12月。

「過去に"掉尾の一振"の象徴的な年は?」

一番印象的だったのはバブルの最高値、1989年の大納会。

12月にどんどん株価が上昇していったのを覚えていて…

右肩上がりの年末だったそうです。大納会の前日も…

大納会を明日に控えまして今日も日経平均株価は史上最高値を更新しました。

そして12月29日、大納会の日。日経平均は3万8,915円と市場最高値を記録とまさに掉尾の一振を象徴する年末だったんです。


当時を知る個人投資家は…
投資歴37年の桐谷広人さん。

株主優待で生活しているということでも有名な方です。家の中にあるものほとんどが企業から届いた優待品なんだそうです。

そんな桐谷さんに1989年のことを伺うと…
年末にかけて株が高くなり、友達も"掉尾の一振"という言葉を使っていた。

「年末は株が高い」「株を枕に年を超す」。

未来はバラ色だと思っていた。

当時1億円以上の利益を上げたという桐谷さん、しかし掉尾の一振以降は…

来年はもっと株価が上がると思い"含み益"を残したまま年を越した。

1月から下がっていって、1億円以上儲けて、1億円負けたから元の木阿弥。

ということです。ちなみにその後の苦しい生活を株主優待で乗り越えたことが今の株主優待生活につながっているということです。
さて今年の大納会は30日ですが個人投資家の掉尾の一振への期待はどんなものなのでしょうか?

下がる心配はしていないけど、急に跳ねるのも今年は期待できない。

オミクロン株がなければ上がるかなと思ったけど。

投資関係は弱い、しばらく。

わりと悲観的な意見が多かったです。
ただ鈴木さんはこんな見方をしていました。
企業業績への期待が日本株はすごく大きい。

アメリカもFOMCが終わり、うまくインフレを制御してくれる期待が高まっている。

年末に向けて、今年"掉尾の一振"があるんじゃないかと期待している。

オミクロン騒動前の水準、日経平均2万9,500円よりちょっと上。

日経平均3万円が見えてくるぐらいの水準で年を超すイメージ。
