こちら提灯が並んでいて日本国内のように見えますが、どこかと言いますと実はお隣、韓国に誕生した観光施設です。
日本との関係改善の兆しが見えない一方で韓国では新型コロナを背景にある日本ブームが起きていました。
一体どのようなものなのでしょうか?
韓国 コロナ背景に"日本ブーム"!
浴衣にひのき風呂 本格和風宿
韓国・ソウルから車でおよそ1時間半。山間の道を進むとそこにあったのは…
ソウル支局の横堀拓也記者。
こちら中に入ると日本風の町並みが広がっています。まるで日本の温泉街のような雰囲気です。
日本語で表記された提灯が並び、浴衣を着て記念撮影を楽しむ人の姿も。
「にじもりスタジオ」という名前のこの施設。
もともとは日本が舞台となったドラマの撮影セットとして建てられましたが、今年9月に一般公開すると韓国の若者を中心として人気に火がつき、連日大勢の人が訪れています。
訪れたの人は…
新型コロナで日本に行けないのでここに来た。
来てみたらもっと日本に来たくなった。
入場料はおよそ2,000円。着物や浴衣は施設内でレンタルしています。
日本に行かないと着られない服なので着られて気分もいいし、似合っている気もしてうれしい。
こちらは和食を提供する飲食店。
散策の合間に本格的な寿司や天ぷら、ラーメンを堪能できます。
またおでんや焼き鳥、たこ焼きなどを販売する屋台もあり、韓国国内にいながら気軽に日本に行った気分を味わえるのです。
施設側には当初、悪化が続く日韓関係を背景とした批判も寄せられたといいますが…
にじもりスタジオ 統括プロデューサー、金城模さん。
日韓関係は政治的な問題であって文化や伝統は互いに好きな人が多い。
批判は気にせずやっている。
先月には新たに旅館もオープン。
実際に日本で使われていた家具を取り寄せ、それぞれの部屋で使用するこだわりぶりです。
さらに…
こちらは備え付けの浴室です。本格的なひのき風呂になっています。
1泊5~8万円と高額ですが、週末には満室になるほどの人気だといいます。
施設は今後も規模を拡大させていき、地域を代表する観光スポットとしたい考えです。
施設はまだ2割程度しか完成していない。
2022年に5割まで整備し、最終的には2023年の完成を目指している。
一番人気はホンダ バイク需要拡大
一方、新型コロナの感染拡大以降に韓国で販売が伸びた意外な日本製品も…
ソウルの街中でよく目にするのが食事のデリバリーを行うバイクです。それも日本のメーカーのバイクがよく目立ちます。
新型コロナの感染拡大を受けて韓国でもデリバリーの注文は激増。宅配ドライバーを新たに始める人も増えていて、そうした人たちに日本製バイクが人気なのです。
バイクの販売店を訪ねると並んでいたのはホンダやヤマハ、スズキといった日本メーカーのバイクです。
バイク販売店の金享春さん。
このバイクが一番売れている。ホンダのPCX。
一番人気はホンダ製。廃棄量が125cc以下のスクータータイプです。
韓国人に合うサイズで丈夫な上にかっこいい。
エンジンが本当に良くて故障することがない。
この店ではお客様の10人中7人が宅配の仕事のために購入。さらに20~30代の若者にはホンダのスーパーカブも人気だといいます。
コロナの感染拡大が本格化した2020年下半期は日本からのバイクの輸入額が1年前の3倍以上に増加。2021年上半期もおよそ1.3倍に増えています。
韓国で2019年に火がついた日本製品への不買運動では日本のバイクも例外ではありませんでした。男性たちがハンマーや鉄パイプで叩き壊しているのはホンダやヤマハのスクーターです。
しかし今、韓国製のバイクと価格帯が近いにも関わらず性能が良いとして日本製バイクへの支持が高まっています。
韓国製バイクは国内市場の2割にも満たない。
8割はホンダやヤマハが占めている。
国と国との関係改善が見通せない中でもコロナをきっかけに日本の文化や製品を改めて認める動きが広まっています。