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[WBS]運転手不足のなか…タクシー業界で広がる女性活用

2022年8月19日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

コロナの影響による乗客の減少や慢性的な運転手不足という課題を抱えるタクシー業界で、いま女性のタクシー運転手を活用しようという動きが広がっています。女性目線を生かした新サービスを始めた会社など各社の取り組みを取材しました。

女性運転手が観光ガイドも!?タクシー会社"二刀流"サービス

岐阜県岐阜市。コロナ禍の2年前、地元のタクシー会社に入社した小柳美晴さん(25歳)です。

日本タクシー
小柳美晴さん

もともと運転するのが好きだったので運転する職業をやってみたいなと。

小柳さん、この日は岐阜駅でお客さんを乗せると…

日本タクシー
小柳美晴さん

車動きますね。

目的地も聞かずに走り出します。10分後、やって来たのは岐阜公園。するとお客さんと一緒に歩き始めました。

日本タクシー
小柳美晴さん

こちらに見えるのが岐阜城で天守閣が展望台になっていて岐阜の街を一望できる。

実は小柳さん、タクシー運転手とツアーガイドを掛け持ちする二刀流。ツアーコンダクターの資格も持っているのです。

岐阜の観光名所や地元の人しか知らない美味しい店などをタクシーで案内するツアーで料金は1時間7,240円。

お客さん

こういうかわいい子が…娘みたいな子なので。
今コロナで団体は無理だけれどタクシーなら自分たちだけで安心感はある。

この観光ガイドツアーを始めたのは岐阜市の日本タクシー。観光バス事業も手掛けるこの会社、この夏もコロナの第7波で団体客のキャンセルが発生しています。

そこで15人の女性運転手にツアーコンダクターの資格を取らせて、タクシーによる観光ガイドツアーを新たな収益源にしようというのです。

日本タクシー
山田健太郎社長

タクシーはコロナ禍においても少人数で動けるので観光に最適ですし、女性ならではの目線で観光客に物腰柔らかく対応できる。
観光にはもってこいだと思う。

コロナ禍で運転手が大量退職!苦境のタクシー会社 救世主は

全国のタクシー運転手はおよそ24万人。そのうち女性は9,470人とわずか3.9%にとどまっています。長年、女性の雇用が進んでいませんでした。

東京・杉並区の葵交通。コロナ禍による乗客の減少で収入が減り、160人いた運転手がこの2年で20人以上も退職。深刻な人手不足に陥っていました。

そこでいま女性運転手の雇用に力を入れています。

教官

自転車のマークがあるよね。
これ自転車ゾーンだからちょっと右寄りに。

教官から指導を受けているのは森島由喜さん(38歳)。先週、転職してきたばかりです。前職は貨物トラックの運転手でしたが

葵交通
森島由喜さん

トラックの運転は需要が増えてきたけれども、やはり給料の面ですかね。
ちゃんと休みが取れて給料を稼げる仕事はなかなかない。

貨物トラック時代は1日12時間以上の勤務が相次ぎ月給が18万円でした。一方、このタクシー会社なら基本給だけで30万円を稼げるといいます。

コロナ前は1人しかいなかった女性運転手ですが、いまでは5人に。

葵交通
森島由喜さん

いい勉強をさせていただきました。

仕事と子育ての両立を支援!タクシー 女性呼び込み策は

先輩ドライバーの中里恭子さんは小学2年生の子どもを育てるシングルマザー。

葵交通
中里恭子さん

この職場は自分の希望の休みが取れたり、小学生の行事に合わせて休みを取ることができる。

会社は仕事と子育てが両立できるよう夜勤がない日勤だけのシフトを新たに導入。さらに女性専用の控え室をつくりました。メイクはゆっくり時間をかけて、疲れたら女性専用ベッドで仮眠も。女性が働きやすい環境を整えています。

この会社では将来、女性運転手を2割まで増やす計画です。

葵交通
田中秀和社長

女性の乗務員はお客様の満足度がたいへん高いので女性の乗務員を活用して難局を何とか乗り切っていきたい。

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