生き残りをかけて試行錯誤を続ける企業があります。
これまでとは異なる事業に打って出る業態転換、そこに挑戦する企業を取材しました。

生き残りかけ「業態転換」!
ホテルが"個室フィットネス"
東京・港区に来月オープンする新たな施設「マジェスティ御成門クラブ」

田中瞳キャスター。
こちらが完全個室型のフィットネスジムになっているということです。

中はかなり器具の数が充実しています。

個室で7種類のマシンを自由に使うことができます。

また事前に設定すれば、自分に合ったトレーニングメニューをAIが自動で作成してくれるシステムを導入。

トレーナーがいなくても一人でトレーニングできます。
この施設には完全個室のサウナルームも。熱した石に水を掛けるロウリュウ式です。


個室の中には休憩スペースも設置されています。

国内初というこの完全個室型のフィットネスサウナ施設。もともとは別の業態でした。

NEXUSグループの星野敏代表。
ここは2017年にビジネスホテルとしてオープンした所。

インバウンド(訪日外国人)がゼロだったのでどうしていいか分からない状況だった。

わらにもすがる気持ちでフィットネス事業をやろうと決断した。

外国人観光客の需要や東京オリンピックを見据えて2017年にオープンしたホテル。

新型コロナで稼働率2割ほどに落ち込みました。

そこでおよそ5億円をかけてフィットネス43部屋、サウナ21部屋に改装しました。

こちらの部屋はもともと3つの部屋に分かれていたということで扉が3つ分残されたままでホテルの名残りがあります。

部屋にはそれぞれトイレやバスルームも完備。

サウナの部屋のバスルームは自分専用の水風呂として利用できます。
「完全個室型フィットネス・サウナにした狙いは?」

3密回避。1人で利用できるのが一番のポイント。

独占したいニーズはあるのではないか。

月3万3,000円の会員制で利用する際に部屋代が掛かります。今後、全国の主要な都市への展開も検討しています。

「ターゲットは?」

高齢者、時間的に余裕がある人。できれば高所得者。

自分専用のサウナ付きフィットネスルームを持てると考えたらリーズナブル。

青果卸が野菜炒め専門店
生き残りをかけた業態転換に挑戦する企業がここにも。

行列のできるこちらのお店、そのお目当ては野菜炒めの専門店です。

野菜の量や味付けなどは好みを選べて普通サイズで400グラム。

揚げた鶏肉の入った肉入り野菜炒め定食「肉中盛り野菜炒め定食」で800円です。無料で野菜を増量する野菜マシもできます。

マシマシ。

さらに50円プラスとなる野菜マシマシだとこの量。次々と野菜が消費されていきます。

お客様は…
シャキシャキしていておいしい。

最近はサラダバーとかもご時世的に少なくなってしまった。

こういう店があるとうれしい。

ベジ郎という名前のこの店、1日に200キロの野菜を消費するといいます。

仕掛けたのはフードサプライという会社です。

フードサプライの竹川敦史社長。
野菜の卸売会社で供給量も非常に少なくなっている。

自分たちで野菜を消費できる業態を作れないものか。

卸売業から飲食業への転換。

居酒屋などに野菜を卸しているフードサプライ。

一昨年、コロナ禍で野菜の消費が落ち込み、困っている生産者を支援しようとドライブスルー八百屋を始めて人気になりました。

それでも本業の卸売は苦戦していて去年の売り上げはコロナ前より3割ほど減っているといいます。

そこで生き残りをかけて去年12月に初めて外食事業に挑戦。

今後はフランチャイズ展開も検討中で先行きが見通せない居酒屋などの業態転換の受け皿になりたいといいます。

まずは半年以内に直営で3店舗ほど開店する計画ですが、実はこの業態転換にかかる費用にはある制度を活用する予定です。


事業再構築の補助金を活用していきたい。

去年から始まった事業再構築補助金。コロナで売り上げが減少した企業が業態転換などをする際に出される補助金です。

これまでに飲食業や製造業を中心に2万6,000件以上が認められています。

ニューノーマルな世界に対応するために今までやっていないことも挑戦していきたい。

2年前、3年前よりも強い会社にしていきたい。
