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[WBS] 業務用ビール値上げで創業80年のビアホールは!?

2018年4月24日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

3月にアサヒビール、そして4月にキリン、サントリー、サッポロと大手ビール会社が10年振りに瓶や樽など業務用ビールの一部を値上げしました。

今回の値上げは物流費の高騰が原因とされています。

ビール市場が縮小する中、独自の戦略で値上げに対抗する企業を取材しました。

株式会社ニユートーキヨー

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東京・中央区にあるニユートーキヨービヤホール数寄屋橋本店

こちらの店では今回、ビールの値上げは行いませんでした。

しかし、森一憲社長は、

コストカットは非常に難しい状況。料理にしても人件費にしても今までずっとやってきているのでなかなか難しい。逆にお客様からもらえる価格以上にクオリティーを高めていくしかない

将来的な値上げは避けられないと見て高付加価値化に力を入れます。

その戦略のもと、4月24日に夏の新商品となるオリジナルクラフトビールを発表しました。

われわれも商売上、売りたいというのがあって何杯も飲めるようなビールを作っていたが、もうちょっとこだわり、ゆっくり飲める味わい深いビールを作りたいと思った。

価格は1杯648円

試飲した野村優子記者は、

甘みがあって女性でも飲みやすくて美味しいです。

さらに今回、通常のビールの味をさらに良くする秘密兵器を用意しました。

200リットルのタンクです。通常は20リットルのタンクだったが今日から200リットルにした。工場から直送できるので、20リットルだと酒販店に何日も置いておくという状況もあるが、200リットルだと新鮮な状態で出せる。

この200リットルの樽は大型の冷蔵室を完備し、1日に130リットル近くのビールが出るビアホールだからこそ導入できたといいます。

またニユートーキヨーではビールに使うグラスやジョッキは料理の皿などとは一緒に洗いません。

そのため油汚れなどがグラスに残ることもなくクリーミーな泡を味わうことができます

さらに今回のビールに合う新たなフードメニューも開発。

高付加価値戦略を進め今後の材料費高騰や輸送費上昇に対応したい考えです。

ビールは酒屋で買っても同じだが、いろいろな管理をすることで価値が高まり味も全く変わってくる。価値を高めてお客様に提供したい。

サントリービール株式会社

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一方、ビールメーカーでも独自の戦略を取るところも…

大手メーカーが揃って業務用ビールを値上げする中、サントリーはあるブランドだけ価格を据え置きました。

今年から「神泡」というネーミングでプロモーションしている「ザ・プレミアム・モルツ」です。

サントリービールのプレミアム戦略部、皆福哲哉課長は、

価格の据え置きの提案で新たに約1,800店舗取り扱いいただく結果に。

実はこのような現象は過去にも…

10年前の2008年、麦芽など原材料価格の高騰で各社が値上げに踏み切るのを横目にサントリーは家庭向け商品の値上げを遅らせました。

その結果、シェア3位に浮上した経緯があったのです。

「10年前の戦略再び?」

10年前を意識したということではなく、外飲み需要を活性化するため価格を据え置いて多くのお客様に飲んでもらおうと。

若者のビール離れが進む中、ビールの本質を知ってもらおうと高品質のビールの価格を据え置くことで販路拡大を狙います。

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