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[WBS]NATO首脳会議閉幕!中露との対決姿勢鮮明に

ワールドビジネスサテライト(WBS)

岸田総理大臣も参加していたNATO(北大西洋条約機構)の首脳会議が閉幕しました。今回の会議はウクライナ侵攻を続けるロシアとそして覇権を拡大する中国の脅威を前に対抗姿勢を鮮明にするものとなりました。

世界は新たな冷戦の構図へと突き進むことになるのでしょうか。

NATO首脳会議が閉幕!ロシア 中国 対決姿勢を鮮明に

NATO首脳会議の閉幕を受けて事務総長が記者会見を行いロシアと中国への対決姿勢をあらわにしました。

NATO
ストルテンベルグ事務総長

ロシアと中国は政治的・経済的・軍事的利益を求め続けている。

今回の会議で注目されたのが今後10年のNATOの基本指針となる戦略概念の改定。

およそ12年ぶりとなる今回の改定でウクライナ侵攻を続けるロシアについては最大かつ直接の脅威と位置付け、これまでの戦略的パートナーから大きく転換しました。

また中国についても初めて言及。安全保障にかかわる技術での躍進や一帯一路によって覇権主義的な動きを強める中国が体制上の挑戦をつきつけていると警戒感を示しました。

NATO
ストルテンベルグ事務総長

私たちはこの問題にどう対応するか議論した。
われわれはこの数十年で安全保障上最も深刻な状況に直面している。
しかし、われわれは団結し、解決のために挑戦していく。

ロシア"警告" 中国「断固反撃」!アジア含め新冷戦突入?

6月30日に閉幕した今回のNATO首脳会議はこれまでの世界の構図を変える大きな節目となるかもしれません。

会議では驚異となったロシアと国境を接するフィンランド、スウェーデンの北欧2ヵ国の加盟を認める方針で合意。

北欧2ヵ国の加盟についてロシアのプーチン大統領は…

ロシア
プーチン大統領

加盟を望むならどうぞ。
ただもしNATOがこの2国に軍や施設を配備するなら相応の対応を取らざるを得ない。

公然と対抗措置を警告しました。

また日本などを首脳会議に招くことでインド太平洋地域を重視する姿勢を示し、中国とも対抗する姿勢を鮮明にしたのです。

今回、初めて名指しされた中国は中国の利益を損なうなら断固として反撃するとの談話を発表。

さらに…

中国 外務省
趙立堅報道官

今NATOはアジア太平洋地域に触手をを伸ばし、冷戦時代の思考を輸出し、2つの陣営の対立を再現しようとする無駄な試みをしている。

かつての東西冷戦を想起させる対立の構図。今後、欧米に加えアジアを巻き込む新たな冷戦へと突入するのでしょうか。

専門家は…

慶應義塾大学
鶴岡路人准教授

冷戦時代に比べると平和になるのではという期待がずっと語られてきた30年だったが、ロシアが脅威として復活してしまい、中国は本格的な「挑戦国」として出てきた。
ルールに基づく国際秩序がさまざまな挑戦を受ける中でNATO諸国・インド太平洋におけるアメリカの同盟国として秩序を守るために立ち上がらなければいけない局面が残念ながら今後増えてくる。

対立が激化することは避けられないとした上で日本も含めたアジアの役割がより重要になると指摘します。

慶應義塾大学
鶴岡路人准教授

NATO首脳会議に参加した日本・オーストラリア・ニュージーランド・韓国はアメリカの同盟国。
これは偶然ではない。
ヨーロッパにおけるアメリカの同盟国とインド太平洋地域におけるアメリカの同盟国。
どのような形で協力を深めていけるか、アメリカの相対的な力が低下していく中で地域を超えたアメリカの同盟国同士が協力することが重要になってきている。

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