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[WBS][COP26 × WBS]温暖化対策 牛のげっぷを減らせ![国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

地球温暖化対策について話し合う国際会議「COP26」でアメリカと中国は今後、気候変動への対応で両国が強力関係を強化していくことを盛り込んだ共同宣言を発表しました。

アメリカのケリー大統領特使。

アメリカと中国の2大経済大国は協力を加速していくこと合意した。

共同宣言では産業革命前と比べた世界の気温上昇を1.5度以内に抑える目標を達成するため2020年代に両国が行動を加速させるとしています。

具体的には温室効果ガスの一種であるメタンの削減に向けて共同での研究を進めるほか、排出抑制策を話し合う会合を来年前半に開くとしています。

また再生可能エネルギーのさらなる普及や違法な森林伐採の取り締まりなどについても協力を強化する方針です。

今回の合意について中国の解振華気候変動特使「気候問題では両国は相違よりも合意できる余地のほうが大きい」と強調しました。

米中が共同宣言を出したことはサプライズでしたが、世界の平均気温は産業革命前に比べおよそ1度上昇しています。

その要因となっているのが一番が二酸化炭素、その次がメタンです。メタンは平均気温を0.5度上昇させたとされています。

その発生源として注目されているのが家畜の牛です。いまメタンの削減に向けたさまざまな取り組みが始まっています。

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

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世界で15億頭がいるという牛。

メタンの発生源のおよそ3割は牛などの家畜からのものだとされています。

茨城県つくば市にある国の研究機関「農研機構」。

牛がどのようにメタンを排出するかというとげっぷです。

牛は1分間に1回ほどげっぷをするといいます。

牛がエサを食べると胃の中で微生物が発酵させ分解します。

発酵させるときに水素が発生。

この水素がメタン菌などによりメタンになります。

それがげっぷとなって排出されるのです。

農研機構の野中最子さん。

1日に餌を40~50キロ食べている牛だとメタン排出量は500リットル前後。

メタンの温室効果は二酸化炭素の25倍にもなります。

今回のCOP26ではアメリカなどが主導し、100を超える国が2030年までに2020年に比べてメタンの30%削減で合意。

実現すれば2050年までに少なくとも0.2度の気温上昇を防ぐことができるとしています。

排出するメタンをいかに減らすか、ここで研究が続いています。

「呼吸試験用チャンバー」といって牛からメタン排出量を測定している。

まず牛を装置の中に入れます。

そして水や餌を与えながら3日間生活させます。

げっぷなどで排出されるメタンや二酸化炭素の量を測るのです。

メタン排出が少ない牛は平均より10%ぐらい少ない。

排出が少ない牛を選んで増やしていくことができるのではないかと考えている。

メタンの排出量に個体差があることや、それが遺伝することも分かってきています。

ここではメタンをあまり排出しないように牛を品種改良するなどの取り組みを続けています。

静岡県の富士山の麓にある酪農牧場「朝霧メイプルファーム」。実はここでメタンを減らす取り組みが始まっていました。

その取り組みは牛が食べている餌。草やトウモロコシ、おからなどにある飼料を加えています。

その飼料とはルミナップ。当初は牛の健康を保ち、牛乳の生産量を増やす効果に注目して導入しました。

ルミナップには同時にメタンの排出を2~4割減らす効果もあるといいます。

朝霧メイプルファームの丸山純社長。

世間一般でSDGsが叫ばれて環境に関して意識が高まる中でこれから消費者イメージは重要になってくるので環境に対して良い効果があるのは良いイメージを伝えるうえで重要。

ルミナップを開発したのは石油元売り大手の出光興産。

牛の消化を助けるというカシューナッツの殻から取れる成分を使って開発。

発売は10年前ですが改めて注目を集めていて、新たに北米でも販売を始める予定です。

出光興産のアグリバイオ事業部、塩崎康子さん。

COP26の開催も今年はあり、たくさん話が来ていて、正直反響の大きさには驚いている。

健康維持の部分ではもちろん、牛のメタン抑制でも世界で推進したい。

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