6月3日から成田空港に導入される自律走行型の監視ロボットです。レーザーセンサーを使い、敷地内を巡回しながら監視するというものです。
来年の東京オリンピックを機に訪日外国人の増加が見込まれる中、最先端の技術で空港の安全を守ろうと開発が進んでいます。そのカギとなるのはAIです。
成田国際空港株式会社
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成田国際空港の濱田達也常務、
セキュリティーレベルを向上させながらすべての要件をかなえる切り札になる。
成田空港が発表した新たな搭乗手続き。搭載したのはNECのAIを使った顔認証技術です。
空港に着いたらまずはチェックインですね。
パスポートと搭乗券の二次元バーコードをかざします。この間に小さなカメラで今日の私の顔を撮影しています。今日登録された顔がこの後の手続きに全部紐付いてきます。
これまで手荷物を預けたり、保安検査をするたびにパスポートと搭乗券の提示が必要でしたが…
続いて荷物を預けます。通常でしたらパスポートと搭乗券をここで提示します。
NECの交通・物流ソリューション事業部、平本憲由主任、
それがもう不要になります。
先ほど撮った顔を認証しているので、このまま予約している情報がわかる。
あとは荷物を預けるだけ。細かなやりとりがなく顔パスで作業完了です。
さらに搭乗ゲートでももちろん顔パス。
このAI技術では両目の間隔、鼻や口まわりなど顔の細かな特徴を抽出しているといいます。
そのためメガネを掛けたり、帽子をかぶっても通過することができます。
極端な整形など顔の基本的な特徴が変わらなければ、この顔認証技術であれば問題なく対応できる。
そこで相内キャスター、思い切ったこの表情で近づいてみると…
ダメだ!
人が違っていると判断された。そこまでいくと。
しっかり防止されました。
双子や子どもの顔については現時点では認証が難しいケースもあるといいますが、今後さらに精度を高めていく考えです。
NECの石黒憲彦副社長は、
生体認証は顔だけでなく虹彩や耳や声、、これらを兼ね合わせて本人を確認するカギとして使うことを考えている。
2018年度は国際線旅客数が3,500万人を突破した成田空港。
この顔パスできるシステムを来年の春から導入し混雑緩和と省力化に生かします。
混雑問題や成田空港の競争力につながると考えている。
どのタッチポイントでもハイレベルでチェックしている。
結果として全体のセキュリティーレベルも上がる。
綜合警備保障株式会社
[blogcard url="https://www.alsok.co.jp/"]
一方、ALSOK、綜合警備保障でもAI技術の開発が進められていました。
「手荷物検査をしている?」
ALSOKのセキュリティ科学研究所、原田容仁所長、
X線検査のシステムだが画像をAIで解析して検査している。
X線でスキャンした荷物の画像からAIが危険物と思われるものを判別するといいます。
私のカバンの中にちょっと分かりづらく縦にハサミを入れて通してみたいと思います。
カバンの中は盛り沢山ですが果てして…
縦に入れてすごく分かりづらくしたのにハサミ、そしてペットボトル、ちゃんと検知していますね。
縦向きのため一見すると棒のように見えますが枠が付いています。
見分けづらいようにわざと縦向けにして持ち込もうとする人がいるという実際の警備員のノウハウが生かされています。
こうしたノウハウを元にしたおよそ3万枚の画像をAIに読み込ませていてライターなども簡単に識別できるといいます。今後は精度をより向上させる考えです。
実際にはいろいろな訓練を重ねないと不審物に気づくのは難しい。
経験が必要だったところをAIで補っている。
ALSOKの2019年3月期の売上高は4,435億円。
その4割を占めるのは自社開発のセンサーなどを使う機械警備と呼ばれる分野です。
今回のAIも自社で開発しているALSOK。最新技術で狙うのは世界市場だといいます。
警備員の人材不足が懸念されている。
厳重な警備が必要な空港や大型のイベント会場など人が集まるところにこういった需要が発生すると思うので、これを広げていきたい。