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[モーニングサテライト]【輝く!ニッポンのキラ星】絹紡糸にシルク本来の光沢を!滋賀県・長浜市 紡績メーカー[中川絹糸株式会社]

2021年9月14日

モーニングサテライト

地域で奮闘する企業を取り上げる「輝く!ニッポンのキラ星」。

今回は滋賀県長浜市からです。海外の有名ブランドからも注目される特殊なシルクの糸を日本で唯一作っている製糸会社を取材しました。

中川絹糸株式会社

[blogcard url="https://www.nakagawasilk.jp/"]

全国展開するアパレルのショールーム。

高級ニットがずらりと並んでいます。

佐藤繊維のチーフプランナー、藤原陽子さん。

販売サイトで多くの注文がある商品。

洗えるシルクを使った腹巻きレギンス。

シルクはクリーニングに出すのがほとんどで家庭では洗えなかった。

価格は通常の2倍以上ですが、絹製品なのに家庭用の洗濯機で丸洗いできる手軽さが受けています。

第2の皮膚をまとうような着心地。

肌触りが良くて妊婦さんでも着心地が良いという声を頂いている。

レギンスに使われているのがプライムシルクという特殊な糸。

去年発売したばかりですが数多くの海外有名ブランドが採用しています。

滋賀県の北部にある長浜市。

生糸を原料とした高級絹織物「浜ちりめん」の産地として知られています。

ここにプライムシルクを生産する企業、中川絹糸が。

1940年創業の中川絹糸。従業員15人、売上高は1億2,000万円に上ります。

中川絹糸の中川嘉隆社長。

シルクの魅力は光沢。最高の品質を表示している。

プライムシルクという独自開発した新しい絹紡糸。

絹紡糸とは繭から長い1本の生糸を取り出すのではなく、ほぐして綿状にしたものをねじり合わせた糸。生糸に比べ安い価格で取引されていますが、中川絹糸はこの絹紡糸にさまざまな工夫を重ねました。

精錬をする前の繭。

絹はタンパク質で覆われて光沢がない。

タンパク質を取り除くと絹独特の素晴らしい光沢が生まれる。

繭を窯に入れ、特殊な酵素が入った液体に10時間漬け込みます。

すると光沢が出てきました。

さらに光沢を出すための工程が、なんと糸を火であぶっています。

機械を作るのに3年かかった。

焼き足らないと光沢が出ない。その調整が非常に難しかった。

糸にできた毛羽立ちを焼くことで抑えます。するとさらに光沢が増すのです。

最後に特殊な液体に漬け、繊維同士を結合させ洗濯機で洗える強さを持たせます。

乾燥させれば光沢と強さを兼ね備えたプライムシルクに。

このプライムシルクを使った製品はマスクや寝具など日用品にまで広がっています。

中川絹糸は創業から和服向けの絹紡糸を作っていましたが、1970年代に入ると和服の需要が減少した上に海外からの低価格製品に押され市場が悪化。

長浜の絹織物づくりも衰退していったのです。

そうした中で中川絹糸は洋服に向いた新たな糸を開発し、オーダーメイドの糸づくりへシフトしました。

2015年にはパリコレでイッセイ・ミヤケの作品に糸が採用され、ヨーロッパで話題になり、海外の有名ブランドにも供給するように。

そして今、新しいプロジェクトが…

バイオの技術を使った新しい繊維が生まれようとしている。

繭の生産が減少する中、これまでにない繊維を研究しています。

経済産業省からも補助金を得て現在、工場を建設中。

環境負荷の少ない新たな繊維の生産を目指しています。

長浜は絹織物の大きな産地だった。

着物文化衰退と共に非常に小さな規模に。

私たちが新たに手掛ける繊維がさらに長浜市を発展させるような、役に立てるような会社になっていきたい。

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