大浜見聞録です。
いよいよ4月4日に東京証券取引所の市場区分の再編がされますが、改めてこちらをご覧ください。
今の東証1部や2部など5つの区分が「プライム」「スタンダード」「グロース」の3つに区分けされることになっています。注目されているのがプライム市場に上場する企業に対して気候変動リスクの開示が求められている点です。企業は温室効果ガスの排出を把握しなければなりませんし、排出量の効率的な見える化が必要になります。こうした中、新興のベンチャーが提供する排出量算出のサービスがいま注目されているとのことです。
加速する脱炭素経営!
CO2見える化サービス
4年前から温室効果ガスの排出量を見える化している企業があります。化学品の専門商社ですがお話を聞いてみます。
東証一部に上場する長瀬産業。
化学品や樹脂原料、食品素材などを主に扱っている専門商社です。4月の市場再編後はプライムへの上場が決まっています。
長瀬産業 サステナビリティ推進室の福島菜月さん。1年ごとに気候変動リスクの情報をまとめています。
記入されているのは自社で使った電気やガスの使用量はもちろん、社員の通勤や出張、数万アイテムあるという取扱商品の製造や運搬などなど企業活動全てに関わる温室効果ガスの排出量です。
環境省のデータベースなどから排出量を換算するための数値を探し出し、1つ1つ算出したといいます。
データベースのどこに照らし合わせて排出量を算定するか難しかった。
算定できる形にするのに一番時間がかかった。
約3ヵ月の期間をかけて算定・合算・集計した。
膨大な作業を何とか効率化できないか、そこで去年の9月からあるクラウドサービスの試験版を使ってみることにしました。
このクラウドサービス「zeroboard」では該当する項目をチェックしていくだけで必要な項目がリストアップされます。
排出量を換算するための数値はすでにシステムに組み込まれているので、実際に使用した数量などを入力するだけで二酸化炭素の排出量が可視化される仕組みです。
実際に利用した画面がこちら。
こんな形にすっきりまとまる。
日々の企業活動で生じた総排出量が分かりやすく表示されています。
「何が一番楽になる?」
グループ(事業拠点)合計の部分。
同じサービスを利用している事業拠点の合計排出量が表示されています。
利用料は1拠点月額5,000円から。
グループ会社を含め国内およそ110の拠点全てでこのサービスを利用すれば作業量が半減するのではないかと期待しています。
東京証券取引所では再編に向け、気候変動リスクの情報開示を求めています。その真意は…
東京証券取引所の林謙太郎上場部長。
企業にとってのサステナビリティーは投資家にとっても重要な課題。
30・40年後も持続的にビジネスを継続し、投資家が望むリターンを出しているか。
特にプライム市場の上場会社にはサステナビリティー情報の質と量の充実。