車のカギ。

ポケットに入れて車に近づくだけでドアを開けることができるスマートキーと呼ばれるものです。
しかし今、この利便性を逆手に取った犯罪が我々の身近に迫っています。
経済事件を追跡取材する「ケーザイ事件簿」。
今回はあなたの車も盗まれるかもしれない、今迫りくる脅威を取材しました。


リレーアタック
大阪府東大阪市に住む30代の男性、山本さん。


深夜2時頃、自宅のガレージに停めていた、およそ1,300万円のレクサスを薄まれそうになったといいます。

家の前でこんな堂々と簡単にとられるんだったら…

犯人はどのような手口で車を盗み出そうとしたのか…
防犯カメラが犯行の一部始終を捉えていました。
実際の映像がこちら。
リュックを前に背負い、マスクで顔を隠した男が玄関の前でアンテナのようなものを広げた瞬間、画面の左上で車のハザードランプが点滅します。

光ったというのは鍵が開いたということ。

慌てて逃げて行って、この後通行人が通る。

通行人が通り、犯人が逃げたおかげで盗難は未遂で済みました。
あとあと分かったことだが「リレーアタック」という方法で盗まれそうになった。

スマートキーからは微弱な電波が出ていて、車に近づくだけでドアを開けることができます。
リレーアタックはこの機能を悪用した盗難方法。
特殊な装置で車とカギがそれぞれ発する微弱な電波を増幅し、中継することでカギと車が離れていてもドアを開けることができるのです。

鍵は2階のリビングの奥なので直線距離で10m以上離れたところに置いた。

それでも開いてしまった。まさか開くとは。

鍵を室内に保管していていも被害に合ってしまうリレーアタック。

どうすれば被害を防げるのでしょうか?
株式会社マツモト自動車
[blogcard url="https://www.mzspeed.co.jp/"]
車のセキュリティ対策を手掛けるディーラーを訪ねました。

エムズスピード大阪の大石唯勝氏は、
アルミホイルやスチール缶に入れて電波を遮断する。

まずはここを守ってほしい。

アルミホイルで包んだり、スチール缶に入れることでスマートキーが発する電波を遮断できるといいます。

すでに一部の車種では対策が取られ始めています。
「節電モード」というのがあって、ロックボタンを押しながらアンロックボタンを2回押すと「節電モード」になる。

これでスマートキーが反応しなくなります。
またリレーアタック対策機能がついたセキュリティー商品を後から付けるのも有効だといいます。

トレンドマイクロ株式会社
[blogcard url="https://www.trendmicro.com/"]
日本にも迫りつつあるリレーアタック。
しかし、その脅威は盗難だけではありません。
セキュリティー会社大手、トレンドマイクロ。

インターネットに繋がる車が増える中、車を狙ったサイバー攻撃が起こる可能性を指摘します。

カーナビがサイバー攻撃を受けると、「貴方の車のコントール権を奪った」という表示とともに身代金の要求が…

カーナビが使えなくなってしまうのです。
カーナビのハッキングを踏み台にさらなる攻撃を受けることもあります。
もし仮に運転中に攻撃を受けると…
野村博佳記者、
触ってないのにハンドルが勝手に回っています。

ハンドルやブレーキの操作を乗っ取られてしまい事故を誘発する恐れもあります。
トレンドマイクロの岡本勝之氏は、
インターネットにつながることでサイバー犯罪側に攻撃する余地が出てくる。

カーナビのアップデートがあったときに本当のものか確かめることが必要になってくる。

自分の身や車を守るためにより一層の注意が必要になりそうです。