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[モーニングサテライト]【Marketリアル】スマホ支える小型化技術[株式会社村田製作所]

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今、マーケットで起こっているリアルな事柄を伝える「Marketリアル」。

今回は電子部品大手の村田製作所です。

特にスマートフォン向けのコンデンサーという電子部品で世界トップのシェアを誇っています。

その村田製作所の株価をご覧ください。1月下旬に上場来高値を更新した後は下落基調、2020年3月期の決算は増収増益だったのにも関わらず翌営業日には4%近く下落しました。

何が原因だったのでしょうか、そして10年語を見据えた戦略とは。

去年、創業家以外から初めてトップになった中島社長に聞きました。

株式会社村田製作所

[blogcard url="https://www.murata.com/ja-jp"]

横浜みなとみらい。

5月にオープンしたばかりの村田製作所の研究施設「みなとみらいイノベーションセンター」があります。

京都に本社を置く村田が400億円を投じた関東最大の研究施設です。

中に入ってきました。こちらムラタセイコちゃん、そしてムラタセイサク君というお馴染みのロボットがあります。

村田製作所の主力製品、積層セラミックコンデンサー。電子部品というよりほぼ砂です。

砂のようなこの1粒1粒がコンデンサーと呼ばれる電子部品。村田が世界シェア4割を誇る積層セラミックコンデンサーです。

コンデンサーとは電気を蓄えたり放出したりする役割を持ち、ありとあらゆる電子機器に使われています。

スマートフォンの中には1,000個も入っていて1ミリ以下という小ささ。

しかも、その中は性能を高めるためシート状のセラミックと金属が数百折り重ねられています。

高機能を競うスマホを村田ならではの小型化の技術が支えているのです。

村田製作所は1944年、村田昭氏が創業。

京都の焼き物の技術を活かしラジオ向けの磁気コンデンサーを開発しました。

それが今や世界トップのコンデンサーメーカーです。

この他に家電などに使われる圧電製品やウェアブル端末向けのモジュールも手掛けています。売上高1兆6,000億円の実に4割をコンデンサーが稼ぎます。

その村田に去年6月、創業家以外から初めてのトップが就任しました。技術者出身の中島規巨社長です。

若かりし頃に焼き鳥店で書いたこの設計図がカギとなり村田は通信部品の小型化に成功したという逸話の持ち主です。

社長が書いた設計図でスマホが小さくなった?

私自身はそういう理解をしている。

社長就任後、株価は世界的なコンデンサー需要を背景に上昇し、1月には上場来高値を更新しました。しかし、その後は下落。決算は増収増益だったのにも関わらず、翌営業日には4%近く下げました。

質問をぶつけると、

市場のコンセンサスとわれわれの思いにギャップがあるのは否めない。

それが決算発表後の株価に表れてしまっている。

今の好調なコンデンサー需要の環境というのが下期には一定の反動があるのではないかとわれわれは読んでる。

その違いが少し"保守的"と受け止められているのではないか。

「下期に反動」が株価の重しか

コンデンサー需要に対する村田の慎重な姿勢が株価の重しになったと見ています。

しかし、中島社長、世界が向かう先を読み切る点において自信を口にしました。

去年から通信機器は5Gが出ているが、10年後にはまた技術革新があり6Gなどが出てくる。

トレンドをつかむと技術的準備は絶対に外れない。

まさにその技術的準備をするための先行投資がここ横浜の研究施設です。

目指すは提案型のモノ作り。脱部品メーカーを掲げこんなことまで…

クルマが真っぷたつにされた状態。

1,000万円を超えるハイブリッド車を研究材料にしたのです。

なぜ車を真っぷたつに?

村田製作所の技術・事業開発本部、興膳義明シニアマネージャー、

部品メーカーなので車のどこにどう使われているのかわからない。

車を分解して中身を見てしまおう。

自分たちの部品の強みはどこにあるのか、車からコンデンサーを取り出してみたところ予想を遥かに超える1万個が使われていることが分かりました。

特に多く使われていたのは衝突回避などの安全センターの周辺。村田のコンデンサーは安全を守るセンサーに強みがあることが分かったのです。

車を分解して学んだ成果は?

これから先の顧客への提案を形にした。

村田が開発中の新技術とは、

タイヤをたたくと。

わずかな振動も検知する。

想定しているのはより安全な自動運転技術。

微細な振動を車自体が感知し、悪路などでも安定した運転ができるというものです。

提案型の企業に

村田が独自に考案した安全技術。今後、自動車メーカーに共同開発を提案していくつもりです。

実はこの研究施設を京都ではなく横浜に作ったことにも理由がありました。

周囲にはソニーや日産など名だたる企業の研究拠点が集まっています。

エンジニアの分母数は国内でも関東の方が圧倒的に多い。

そういう人たちの知見をうまく生かしたい。

オープンイノベーションの中で他社との協業を進めるには立地的に関西よりも良い面が多い。

技術交流で人材育成

社外の技術者と広く交流する場を作り、新発想ができる技術人材を育成します。

世界のトップを走る村田にも危機感がありました。

中国メーカーに抜かれるという危機感は?

マチュア(成熟技術)になった部品をたくさん安く作るという技術面では結構早い段階で中国はキャッチアップするだろう。

カッティングエッジ(最先端)の技術を磨いていくか。

差異化できる技術をたくさん保有するかが問われている。

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