東京の下町で90年近く続く老舗の料亭が始めた赤字ギリギリの食べ放題サービスを取材しました。
とろろバイキング
観光客で賑わう東京・浅草。
隅田川のほとりに建つ「浅草むぎとろ」。
多くのお客様が順番待ちをしていました。
お目当ては?
とろろですね。1,000円で食べ放題なので。
とろろをご飯にかけたら何杯でも食べられる。店のとろろ全部食ってやろうかな。
お客様が期待を寄せるとろろの食べ放題とは?
株式会社浅草むぎとろ
[blogcard url="http://www.mugitoro.co.jp/index.html"]
創業から89年の老舗、浅草むぎとろ本店。
普段は1万円以上の会席料理を出す高級店です。
そんな店が平日限定1,000円で食べ放題とあって1時間待ちは当たり前。
大きなすり鉢に入ったとろろが食べ放題の主役。
このとろろを熱々の麦飯にかけて食べるのです。
その味は…
うめぇ。だしが利いていて美味しい。
自宅では食べられない味。
とろろに使うのは主に千葉県産の大和芋。小売価格は1キロで約1,000円するこだわりの芋です。
浅草むぎとろ本店の山田宗孝料理長は、
芋の肉質が詰まっていて滑らかで粘りが強いのが特徴。
大和芋のとろろに鰹節などがベースのだしを加えることでご飯にピッタリの味付けのとろろが出来上がります。
浅草むぎとろの田中一成社長は、
山芋という食材は皆さんが思っているより高価な食材。商売的に儲かるかと言われると答えづらい。
料理の品数を絞っているほか、相席をしてもらいお客様の回転率を上げることで低価格を実現しています。
とろろ三昧バイキング
あまりの人気で4年前には店の最上階「浅草むぎとろ Lounge Vista」でも新たな食べ放題を始めました。
味の違うとろろの食べくらべが出来るほか、料理も13種類あって料金は2,000円。
特に漬けまぐろは補充してもすぐになくなってしまうほどの人気です。
こちらの女性はうどんにとろろと漬けまぐろを加えてアレンジ。
まぐろうどん美味しい。オリジナルまぐろうどん。
食べ放題の中にはカレーもあります。
とろろとカレー、これが意外にマッチするといいます。
田中社長は、
とろろの楽しみ方は一人一人違う。私どもでは思いつかない組み合わせを楽しむお客様もいる。
とろどら
山芋を多くの人に食べてもらうための工夫は食べ放題だけではありません。
いま力を入れているのが山芋を使った和菓子の開発です。
生地にとろろを練り込んだ「とろどら(151円)」は想定の2倍も売れるヒットとなりました。
山芋の食文化を提供できるように日本だけでなく海外を視野に頑張りたい。
山芋の魅力を伝える老舗はすでに世界を見据えています。