シリーズ企画「コロナクライシス トップの決断」です。
新型コロナでその役割や姿が大きく変わろうとしている巨大銀行に迫ります。
国内最大である三菱UFJフィナンシャル・グループの亀澤宏規社長はどのような決断を下したのでしょうか?
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ
[blogcard url="https://www.mufg.jp/"]
新型コロナの影響が出始めた4月。
多くの店舗が休業を余儀なくされる中、全国各地から悲鳴が…
観光客の減少で資金繰りが限界に達しつつある。
外出自粛の影響で宿泊者が激減した。
資金繰りが厳しく設備投資の大半を取りやめた。
危機の中だからこそ問われる銀行の役割。
予期せぬ事態の中、就任したのは亀澤社長です。
メガバンク、トップの決断がありました。
4月1日に就任したがこういうスタート考えていなかった。
7日に緊急事態宣言、かなり緊張したスタートになった。
何が起きていて、これから何が起きるのか正確に把握できたわけではない。
安全の確保と金融機関の維持、この両立をどうするか、一番難しい。
銀行には過去の危機で苦い経験があります。
90年代後半の金融危機では不良債権の処理が遅れたことで経営破綻する銀行も相次ぎ、貸し渋りや貸し剥がしが問題に。
しかし感染症の拡大による今回のコロナ危機はバブル経済の崩壊やリーマンショックとは性質が異なります。
過去の教訓もふまえた政府・日銀は今回資金を速やかに大量供給。企業の倒産を防ぐためです。
「金融にできることは、使命感は?」
非常に今回は感じた。
資金需要がいきなり落ちている状況。
ビジネスが通常通り流れるためにどうするか。
お客様も一生懸命考えている。われわれもににに支える。
コミットメントライン(融資枠)を含め12.5兆円貸し出しを実行した。
「資金繰り支援で見えたこと、感じたことは?」
社会全体がデジタル化していく。
われわれの運営の仕方や働き方、改めて考える必要がある。
その決断は銀行のデジタル化を一層加速させること。
コロナ禍で顧客の行動にも変化が起きているといいます。
インターネットバンキングの利用、3倍に増えた。去年に比べて。
外出自粛や接触を避ける動きが増える中、利用が急拡大。銀行の姿は大きく変わると見ています。
12年間で来店客数は6割減っている。
来店客の減少は加速すると思う。今のような店、物理的な店は減る。
「店舗のあり方も考え直すのか?」
そこは重要なポイントでひとことで言うと多様化。
東京・目黒区にある三菱UFJ銀行の支店です。
これまでの概念が変わる新たな銀行の姿の一つが…
店内に入ると行員のいる窓口が見当たりません。
受付ではタブレットに要件を入力するだけです。
こちら一見普通のATMのように見えますが…
窓口では依頼書に記入してもらうが、この機械は記入の負荷がなく納付書を直接読み込ませて受け付ける。
公共料金の納付書を読み込ませると紙の伝票を描くこともなく簡単に振り込みができるのです。
全国におよそ500ある店舗は202年度までにおよそ4割削減。残る店舗も多様な形に変えていく計画です。
亀澤社長が描く日本経済回復への道とは…
「日本経済はどのように推移するか?」
政府の経済対策が過去にない大きさ。
中央銀行の支援プログラムも出ている。
一回落ちた経済が4~6月を底に回復する見立て。
一旦落ち込んだ後、来年の年末にかけて緩やかに回復する軌道を見込んでいます。
メガバンクが健全性を保ち強靭な体制をもっての社会課題の解決にもデジタル化のシフトにも貢献したい。