円安の進行が止まりません。いよいよ1ドル150円が目前となっています。この1週間ほどの円相場の動きを見てみると毎日安値を更新しています。そして10月18日に32年ぶりに1ドル149円台をつけました。こうした中、市場では政府・日銀が覆面介入を実施した可能性も指摘されています。どういうことなのでしょうか。
止まらない円安 政府は"覆面介入"か…
10月18日、衆議院の予算委員会で繰り広げられていたのは…
日銀
黒田総裁

大規模な金融緩和以来、デフレは続いていない。解消している。
立憲民主党
階猛議員
言い訳はいい。
辞めるか辞めないか、結論だけ言ってください。

日銀
黒田総裁

辞めるつもりはありません。
止まらない円安の責任を追求された日銀の黒田総裁。
こうした中…
長江優子記者

円相場は32年ぶりに149円台をつけました。
円安が止まらない中で市場で高まっているのが覆面介入への警戒です。
円安を食い止めるために政府・日銀が円を買うことが円買い介入ですが、9月22日に実施された際には介入に踏み切ったことを政府が発表しました。
これに対し、市場が警戒する覆面介入では介入の事実が明らかにされず、投機筋にとっては円相場の動きが読みづらくなるのです。
その狙いについて財務省の元幹部も…
財務省元幹部

覆面介入は行き過ぎた円安や円高を抑え、投機的な売買を諦めさせるために実施する。
と打ち上げます。
今回、市場関係者が覆面介入が実施された可能性があると見ているのが10月13日の木曜日、円相場は147円67銭をつけたあと一気に1円ほど円高に動きました。
この値動きや日銀の当座預金の残高が当初の予想よりも減っていることから覆面介入をしたのではと見られているのです。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
チーフ為替ストラテジスト
植野大作氏

円相場の動きは非常に不自然。覆面介入をやっているのではなかという疑いが出ている。
政府は…
記者
政府が覆面介入をしている見方もあるが?

鈴木財務大臣

今の質問に対してはあえてコメントしない。
止まらない円安 戸惑う食品輸入会社
こうした中、企業には戸惑いが広がっています。
海外からドル建てで食品などを輸入する業者からは…
食品輸入会社担当者

いつ円高になるか分からないのでとても怖い。非常に困っている。
円安の状況で円をドルに変えてしまうと、いざ円高になった時に損が発生してしまいます。
介入への警戒が広がる中、取引に使うドルをいつ円から変えるべきか手をこまねいているといいます。
今後の円相場はどこへ向かうのか、専門家は…
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
チーフ為替ストラテジスト
植野大作氏

次は心理的節目が150円くらいしか目先にはなくて、そこを抜けると今度は32年前の160円20銭があるが、そこまで青天井。
どこまでいくかは介入と市場のせめぎあいの結果だったりもする。
番組スタッフ
実際にそこ(160円)までいく可能性も大きい?

三菱UFJモルガン・スタンレー証券
チーフ為替ストラテジスト
植野大作氏

可能性は全くないとは言えない。十分あると思う。