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[WBS] 日本中で「未婚の人」が急増中!地元企業が婚活を支援するワケ!

2017年8月31日

ワールドビジネスサテライト(WBS)

男女合わせた生涯未婚率の推移。

1955年は1.3%でした。それが2015年には18.7%にまで上昇しているのです。

男女ともに結婚しない方が増えているワケですが、こうした状況に歯止めをかけようと地元の企業が婚活を支援するという動きが始まっています。

しかも、AIを使った相性診断でお見合いに至る確率が2倍になっているといいます。

そんな新たな取り組みを追いました。

タニイワ商事株式会社

[blogcard url="http://www.taniiwa.jp/"]

愛媛県四国中央市。四国有数の工業地帯です。

しかし人口はこの10年で約5,600人減少して2017年は8万8,899人となっています。

生涯未婚率が1985年の2.6%から2015年には17%に上昇。それに伴い出生率も減っていることも理由のひとつです。

その影響は地元企業を直撃していました。

タニイワ商事、スーパーで使うポリ袋などを製造する会社です。

出生数の減少で若い人が減り人材確保に悩んでいました。

社長の石川一志さん(46歳)。

ハローワークに募集をしてもなかなか連絡はないですね。どこの会社もハローワークで人が見つからなくなったと聞いている。

四国中央市だけでも人材不足などを理由にこの10年で約300の事業所が廃業。

経営者として危機感を抱く石川さん。自ら動き始めていました。

この日、向かったのは取引先の銀行です。

株式会社愛媛銀行

[blogcard url="http://www.himegin.co.jp/"]

石川さん、支店長室に通されました。

すると、

今回は仕事の話ではなくてボランティアをしていまして、「結婚支援センター」という愛媛県がしている婚活イベントとか。

実は石川さん、婚活を支援するボランティア活動をしているのです。

この日は結婚支援センターに登録してくれる独身銀行員を紹介してもらおうとやってきました。

愛媛銀行川之江支店の星加英郎支店長は、

結婚をしていない30代、40代、50代も結構います。何人かは心あたりはありますので、また社長にご紹介します。

石川さんが未婚者を減らすため地元の企業などを回って参加を呼びかけているのです。

えひめ結婚支援センター

[blogcard url="https://www.msc-ehime.jp/"]

石川さんが協力をしているのはえひめ結婚支援センター。

愛媛県が予算を投入して運営を支援している結婚相談所です。

約880もの地元企業や団体、そして約200人の個人ボランティアが婚活事業に参加をしているのです。

えひめ結婚支援センターの岩丸裕建事務局長は、

私どもの会員企業は人手不足で随分悩まされています。これから、どんどん消費者が減ってきますから厳しい経営環境になるのは必然的なので企業そのものもそこ(少子化対策)に目を向けだした。

登録会

この日、石川さんの会社にやって来たのは、以前声をかけた愛媛銀行の独身行員。

石川さん、会議室へ案内をします。

するとそこにはえひめ結婚支援センターの職員、村上智子さんの姿がありましたね。

3人の独身行員が集まりました。

結婚したいという意志があって来ていただいていますよね?
支店長だから無理やりとかではなくて。

当然です!

実はこれは結婚支援センターへの登録会。

結婚支援センターに足を運ぶのもは気が重い。そんな人たちのために石川さんは会社を登録会場として提供しています。

無事に登録が終わり、みんななんだか晴れやかな表情。

知り合いからの声かけは敷居が下がって参加しやすくなった。

しかし登録したものの実際に異性と出会うまでには至らない人も多いのです。

石川さん、今度は地元企業の独身社員たちを居酒屋に呼び出していました。

2人とも石川さんに声を掛けられ「えひめ結婚支援センター」に登録したといいます。

どうですか?
登録した後、その後の活動は?

製造メーカーの営業(38歳)は、

危機感があるようでない。

製造メーカーの製造管理(37歳)、

今になじんでしまっていて。今の生活で苦労しているわけでもないし。食べていくのも困っているわけでもない。

本当はやばいんだろうけど。

やっぱり結婚したいし、子供も欲しいし…。

どうすれば前に進めるのか、悩んでいました。

石川さんは、

婚活の優先順位が上がっていないと思う。「今は空いているけど、何もなかったら行けます」って、今空いているなら今入れろ!
そこまで優先順位をあげてほしい。

地域のみんなで背中を押してあげることが大切だと石川さんは言います。

もう一歩踏み出して、幸せなことが待っていると思うから。

かつてはどこでもいた「おせっかい」オジさん。その役割をいまは地域の企業が担っているのです。

「AI」が相性の良い相手を探す!?

数日後、えひめ結婚支援センターの出張所。

やって来たのは居酒屋で石川さんに悩みを打ち明けていた男性です。

石川さんに背中を押され、お見合いの相手を探しにやってきました。

まずは専用の端末を使います。その中にはえひめ結婚支援センターが開発した独自のAIシステムが入っています。

えひめ結婚支援センターの吉本里見さんは、

「ビッグデータからおすすめリスト」というのを提供している。

膨大な会員の中からAI(人工知能)が相性の良い相手を探してくれるといいます。

ご本人様ではなかなか目が行きにくいけれども、「あなたのお好みに合うんじゃないですか?」という形でお薦めするリスト。

AIが相性の良い相手を選んでくれるようになってお見合いまで至る確率は2倍以上の29%になったといいます。

製造メーカー 製造管理(37歳)は、

想像以上に登録している人がいっぱいいて、これから活用していきたいと思う。

野口さん夫妻

えひめ結婚支援センターで出会い、5月に結婚した野口さん夫妻です。

お見合いの場でもボランティアの人たちのさりげない後押しがあったと言いいます。

場を和ませるような話だったりとか、すごく良かったですね。

誰もいなかったら、パソコン上だけだったら、もうやめていたかもしれない。

地元企業のバックアップと画期的な相性診断で成果を上げているえひめ結婚支援センター。

全国からも注目を集め、視察の件数は約3年で60件を上回ります。

石川さんは、

どんどん会員数を増やせるようにぜひ頑張っていきたい。

地元企業が人材不足解消のために婚活を支援する取り組みは今後、全国にも広がっていくかもしれません。

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