生活スタイルの多様化により転勤は「ノー」という人が増えています。
この「転勤ノー」は「イエス」なのか「ノー」なのか、働く人や企業はどう考えているのでしょうか?
転勤について
新橋でサラリーマンに聞きました。
「転勤YES」、IT企業の20代女性。
基本的に受けたら行かないと。
「転勤YES」、商社の20代男性。
全然転勤する。あって当たり前というのが僕の中の認識。
転勤にメリットを感じる人もいます。
「転勤YES」、保険会社の20代男性。
東京だけの仕事をしていたら視野が違う。
転勤先での経験が実力アップにつながるといいます。
しかし一方で「転勤NO」、メーカーの20代男性は、
転勤ですか。絶対にしたくない。友達と離れたり家族と離れたり、いろいろと切り捨てなきゃいけないのかなと。
「転勤NO」、人材派遣の30代女性。
ちょっと無理。結婚して間もないので厳しい。
働き方の価値観が多様化する中、家族やいまの環境を大事にしたいため転勤は「ノー」と考えているようです。
とはいえm、会社の指示に従わなければいけないのがサラリーマン。
「転勤と言われたら?」
「転勤NO」、不動産の30代男性は、
ちょっと考える。場所による。
「嫌な場所だったら?」
仕事お断りして辞めるんじゃないですかね。
ある調査によると仕事を探す人の約72%が転勤のない仕事を希望しています。
株式会社モスストアカンパニー
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「転勤ノー」と考える人が増える中、企業は?
社員自身が転勤するかどうか選べる仕組みを作ったのがモスバーガーを展開する株式会社モスストアカンパニーです。
全国どこにでも転勤する「全国転勤社員」、特定の地域内で転勤する「地域内転勤社員」、自宅から通える範囲で勤める「自宅通勤社員」の3つ。
全国転勤社員の給与は地域内転勤社員の1割増。自宅通勤社員は地域内転勤社員より1万円少なくなります。
株式会社モスストアカンパニーの田口学俊取締役は、
自宅からの通勤に限定したいという人が非常に入社しやすくなったので、人材登用という点では非常に有効に活用できていると思っている。
実際に働いている社員は?
モスバーガー国立北口店で店長を務める島田明宙さん(20歳)は自宅通勤社員です。自宅通勤社員を選んだ理由とは?
実家から通った方が生活に負担がない。仕事だけに集中できる。仕事をしっかり覚えてから全国赴任型にする。
一方、全国転勤を選んだ社員、栃木県にあるモスバーガー宇都宮若松原店の清水健司さん(32歳)、もともとは地元の北海道の店舗で働いていた清水健司さん。その後、八王子の店舗を経て、3月に宇都宮若松原店に転勤をしてきました。
基本給がN社員(全国転勤社員)は多いのでやりがいは感じている。
また、転勤は自分の財産にもなると考えています。
モスバーガーの仕事を通して全国いろいろなところに行けることがやりがい。覚悟はいると思うが行くことで新たな自分の財産になる。
麒麟麦酒株式会社
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一方、転勤は避けられないという企業は?
麒麟麦酒株式会社はあるユニークな制度を導入しました。それは社員が申請すれば最長で5年間、転勤を「一時的に回避」できるという制度。ただし使えるのは1回だけです。
約1,000人の社員のうち、子育てや親の介護をする社員など25人がこの制度を利用しているといいます。
麒麟麦酒株式会社の人事総務部、高野睦史さんは、
転勤が将来的にある不安から退職した事例があったことを受け導入した。
専門家
転勤制度については専門家も意見が分かれます。
転勤は必要という株式会社大和総研の廣川明子主任コンサルタントは、
経営者人材をし育てるうえで修羅場経験は大事。何かあるところに行かないと経験できない。
転勤制度を辞めたことで人が育たなくなったという企業もあるといいます。
一方、転勤制度の見直しを主張するのがリクルートワークス研究所の大久保幸夫所長。
いま6割以上の世帯が共働き。仮に男性が転勤を受けると働く奥さんのキャリアを阻害して一緒についていくか、単身赴任。どちらにしても家庭や個人にとってダメージが大きい。
原因は会社が転勤のルールを明確にしていないことにあると指摘します。
何年間行くとか、どのタイミングで行くとか、予測不可能な状態を作ってしまわないよう明確な転勤ルールを作るのはすぐできる。