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[WBS]ウクライナからの避難者!日本での課題 克服するには?[モノグサ株式会社]

ワールドビジネスサテライト(WBS)

ロシアによるウクライナ侵攻から間もなく10ヵ月となる中、戦火を逃れてウクライナから日本に避難してきた人は現在までにおよそ2,200人に上ります。日本で暮らす上で大きな課題、それを克服するため取り組んでいる避難者がいます。その現場を取材しました。

ウクライナ 18歳の避難者が奮闘…
日本語の壁乗り越える策とは?

マクシム・ハイチェンコさん(18歳)。今年5月にウクライナから日本に避難してきました。

2月下旬のロシアによる侵攻当時、首都キーウの大学に通っていたマクシムさん、今は都内で一人暮らしをしています。

ウクライナから避難した
マクシム・ハイチェンコさん

ウクライナにずっといたらゲリラとして頑張っていた。
もしかしたら死んでいたかもしれない。

来日から半年経ったこの日、面談したのは避難を支援してくれている団体「パスウェイズ・ジャパン」の担当者です。

パスウェイズ・ジャパン
折居徳正代表理事

日本人の友だちはいますか?

ウクライナから避難した
マクシム・ハイチェンコさん

木曜日、アルバイトの同僚と遊びに行きます。

流暢に日本語を話すマクシムさん、この半年で大分上達しました。

パスウェイズ・ジャパン
折居徳正代表理事

ネイティブの領域に近づいている。

ウクライナから避難した
マクシム・ハイチェンコさん

ネイティブになるのが目標。

その能力を使っていま取り組んでいることがあります。

都内にある学習支援アプリを作るベンチャー企業「モノグサ」。マクシムさんは3ヵ月前からここで週3回働いています。

この会社では漢字を学ぶアプリなどを作ってきましたが、いまマクシムさんたちが作っているのはウクライナの人が日本語を覚えるためのアプリ。

日本語に該当するウクライナ語を選びながら学ぶことができます。10月からウクライナから避難してきている人に無料で提供しているのです。

開発の背景には日本に来てから感じていたある課題がありました。

ウクライナから避難した
マクシム・ハイチェンコさん

避難民はできるだけ社会に良いことをしたい。日本語が分からなかったらそれはできない。

今年2月のロシアによる侵攻以降、ウクライナから日本に避難してきた人はおよそ2,200人。ある調査では避難した人のおよそ7割が日本に長く滞在したいと考えているものの6割はまだ職に就けていません。

就職を遠ざけている大きな壁が日本語なのです。

ウクライナから避難した
マクシム・ハイチェンコさん

みんな日本人と遊べるように、いろいろな仕事ができるように早く開発したい。

そんなマクシムさん、ウクライナ南部ミクライウに住む母親のナタリーさんと毎日連絡を取っています。

マクシムさんの母
ナタリャ・ハイチェンコさん

今問題なのは水がないこと。
水道管には塩水が入るし、修理する所もたくさんある。
マクシムに会いたい。どこでもいいから早く会いたい。

しかし、まだ日本に残る考えのマクシムさん。新たに始めたことがあります。

ウクライナから避難した
マクシム・ハイチェンコさん

つゆだくとは?

マクシムさんが新たに始めたこととは?

今年5月、ウクライナから1人で避難してきたマクシム・ハイチェンコさん。

都内のベンチャー企業に勤めながらウクライナの人が使える日本語学習アプリの開発を手掛けています。

ウクライナから避難した
マクシム・ハイチェンコさん

日本で一番長い川はどこに位置しますか?という問題。
答えは長野県。

いまアプリの新たな機能として提案しているのが日本の文化や地理を学習できる機能。

例えば「富士山に登頂できるのは何月から何月まで?」という問題です。

日本人とのコミュニケーションを増やすために必要だといいます。

ウクライナから避難した
マクシム・ハイチェンコさん

言葉を学ぶ以外にも楽しんだ方がいいので、日本料理とか地理学の問題も作った方が良いと決めました。
これはラーメンでしょ。そばとかシスとか牛丼とか。

番組スタッフ

マクシムさんは全部食べた?

ウクライナから避難した
マクシム・ハイチェンコさん

3つしかないです。

すると早速動き始めたマクシムさん。

ウクライナから避難した
マクシム・ハイチェンコさん

これ何と言いますか?

興味津々です。そして出てきたのは牛丼。問題を作る上では味も知らないといけないといいます。

初めて牛丼を食べてみた感想は…

ウクライナから避難した
マクシム・ハイチェンコさん

めっちゃいい。

マクシムさんの同僚
モノグサ
大場万莉央さん

彼は18歳ですがそう見えなくて、本当にプロとして社会人として働いている。

モノグサ
竹内孝太朗CEO

われわれとしてはサービスをいつか世界に提供したい。
目標を実現するために力を貸してもらっている感覚。

マクシムさんは今後も日本に長く住み続けたいといいます。

ウクライナから避難した
マクシム・ハイチェンコさん

自分の才能とか経験をここで使える感じがするので、ここで働き続けたい。

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