東京では7月19日に新たに1万1,018人の感染が確認されました。先週に比べるとおよそ500人減っていますが8日連続で1万人を超えています。感染者の高止まりが続く中、出勤前にPCR検査を受ける人が増えているそうです。その理由を取材しました。
感染者高止まりの中…出勤前のPCR検査増加!?
午前7時。東京・新宿区のクリニック「市谷八幡クリニック」に集まる人たち。目立つのはスーツ姿のビジネスパーソンです。その目的は…
医療関係 会社員
60代男性

出勤前に検査をしようと思って来た。
なんと会社に出勤する前に自分からPCR検査を受けるというのです。無症状の東京都民などなら検査は無料。次から次へと検体を提出していきます。一体なぜなのでしょうか。
医療関係 会社員
60代男性

3連休で外出して遠出をしたので。これだけ感染者が増えているので。
7時からやっているので出勤前なら確実に検査ができる。
公務員
40代男性

出勤途中で無料のところがあって、いいなと思って。
番組スタッフ
実際検査を受けてどうだった?

公務員
40代男性

簡単なので受けられるなら不安な人は受けたらいい。
実際、新型コロナの感染拡大に伴って検査に受けに来る人が急増しているといいます。
PCR検査の管理担当
菅野貴児さん

体感で2倍から3倍に増えている。
多い人だと1週間に1度の頻度。
検査自体もひっ迫しているので検査結果が従来より少し遅れている。
さらにいまニーズが高まっているのが…
2tトラックを改造!PCR検査車 出勤依頼アップ
田中瞳キャスター

こちらの車両、正面から見ると通常のトラックですが、横から見てみると移動式PCR検査車両と書いています。
2tトラックを改造して作られた移動式のPCR検査車です。
セントラルメディエンス
中川隆太郎社長

通常のラボ(検査室)と同じようなつくりになっていて一通り全ての検査ができる。
唾液などの検体は検査機関に運ばなくてもトラックの中だけで陰性か陽性かを判定できます。1日に500人の検査が可能。最短2時間で結果がわかります。
田中瞳キャスター
移動式の車両型のメリットは?

セントラルメディエンス
中川隆太郎社長

その場に行けること。
検体の移動の時間がないので検査結果をスムーズに出せる。
この車はクルーズ船の乗客検査やスポーツ大会の選手の検査で活躍。イベントの再開に伴って出動の依頼が増えていて、年末までに20件ほどの予約が入っています。
セントラルメディエンス
中川隆太郎社長

行動制限がないからこそ、自分で陽性・陰性を見極める必要がある。
定期的に検査することが一般的になってくると思う。
ワクチン追加接種は…?感染力強い「BA.5」拡大
国内では7月19日に新たに6万6,745人の感染が確認されました。重症者は7月18日より11人増えています。
感染拡大防止のカギとされるのがワクチン接種の促進。政府は4回目接種の対象を高齢者に加えて医療従事者などに拡大する方針です。ただ、4回目接種の対象を60歳未満にも広げるかについては…
後藤厚労大臣

従来4回目のワクチン接種は重症化予防を目的として行うということだった。
対象拡大について医療機関、高齢者施設等の従事者でない60歳未満の方は一般的に4回目接種を行うことには該当しないだろうと。
慎重な姿勢を示しました。
追加接種について街の人は…
60代

次は4回目。
打っていると安心なこともあるし。
20代

2回目まで打った。
3回目は今のところは考えてない。
ワクチン打ってもかかってる人も周りに多いんで。
日本で3回目接種を済ませた人の割合は6割以上とアメリカやイギリスを上回っています。ところが日本より追加接種が進んでいる韓国でも感染が再拡大。韓国当局が7月19日に発表した新型コロナの感染者数は7万3,582人と1週間前の2倍近くに跳ね上がりました。再拡大の要因は感染力が強く、ワクチンで獲得した免疫をすり抜けるとされるBA.5への置き換わりが進んでいるためとみられています。
モデルナ 新ワクチン開発!日本法人の社長が語る舞台裏
大江キャスターが訪ねたのはアメリカのバイオ医薬品大手モデルナの日本法人社長、鈴木蘭美さんです。感染が急拡大していることについて…
モデルナ・ジャパン
鈴木蘭美社長

さまざまな理由があると思うがコロナウイルスの変異が続いてより感染しやすくなっていると思う。
大江麻理子キャスター
3回目のワクチンでできた免疫をBA.5はかいくぐっているのか?

モデルナ・ジャパン
鈴木蘭美社長

3回目の接種を受けていてもそれがかなり前だとすると体の中の抗体価が下がってきていて、オミクロン株に感染しやすくなることも考えられる。
こうした中、モデルナは既存のワクチンとオミクロン株対応ワクチンを半分ずつ合わせた新たなワクチンを開発しています。
治験の段階では4回目の接種を既存のモデルナ製ワクチンを打った人と新開発したワクチンを打った人で比べると感染歴のない被験者でBA.4とBA.5に対して中和抗体が1.69倍に増えたといいます。
大江麻理子キャスター
去年末はBA.5が出てくる前、その段階からなぜワクチンをつくることができるのか?

モデルナ・ジャパン
鈴木蘭美社長

他の変異株も含めてオミクロン株も含むいくつかのシナリオを同時並行で確認してきた。
開発し始めた当時はオミクロンBA.1のスパイクタンパクに準じたメッセンジャーRNAの配列は分かっていたので、幸いにも治験をやってみて実際にBA.4とBA.5に関して中和抗体が確認できた。
この新開発ワクチン、日本では9月中の承認を目指しています。
モデルナ・ジャパン
鈴木蘭美社長

今年の秋冬にどのような変異が流行しているかはまだわれわれさえ分からない状況ではある。
私共が求めているワクチンはコロナがどのように変化してもなるべく広く、みんなの命を守れるようなそういう免疫活性を目指している。